男と女の「更年期障害」に危険なワナ 男性は骨折、女性は死に至る謎の病気

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宅急便の荷物を持ち上げただけで腰の骨折

   更年期障害は男性でも起こる。井上貴之さん(仮名=46歳)は6年前に突然、「インフルエンザの熱のないような状態の倦怠感」を全身に覚えた。やがて症状が重くなり、起き上がれない日もあった。それまで太った経験がなかったのに、1年半で20キロも増えた。さらに、家の中で宅急便の荷物を持ち上げただけで、腰の骨を折り(腰椎圧迫骨折)、救急車で搬送された。会社を休職するほどの重傷だった。病院を受診すると「男性更年期障害」と診断された。

   井上さんを診察した千葉西総合病院泌尿器科部長の久松伸一医師は、こう説明する。

「男性の更年期障害は、男性ホルモンのテストステロンの減少が原因で起こります。テストステロンは精巣から分泌されますが、女性ホルモンが閉経前の50歳前後に急激に減少するのに比べ、20歳前後をピークにゆっくり下がっていくのが特徴です。ところが、ストレスや睡眠不足、疲労などが重なると、ガクンと激減することがあるのです」

   当時、井上さんは睡眠不足が続いていた。そのため、40代の平均量の3分の1しかテストステロンを分泌していなかった。6割以下だと危険信号という。

久松医師「テストステロンは性機能の維持だけでなく、男性的な体、筋肉や骨格を作る働きがあります。その分泌量が激減したため、骨がもろくなり、骨折したのです。また、テストステロンは内臓脂肪をつきにくくする役割もありますから、脂肪がついて太ってしまったというわけです」

   テストステロンを増やすにはどうしたらいいだろうか。久松医師は「筋トレ」を勧めた。筋肉が増えるとテストステロンの産生量が増えるからだ。人間の筋肉が一番大きい場所は太ももだ。

久松医師「太ももを鍛えるにはスクワットが一番です。立った状態で片足を前に出し、もう片方の足のひざを曲げるスクワットを行なってください。1日10回を3セット行なうといいでしょう」
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