「アドヒアランスが欠けている」
学問的には意義はあったが、米国では相変わらず深刻な社会問題である「肥満」対策への応用にはまだまだのよう。報告の「結論」では「『1日おき断食』は『毎日カロリー制限』に比べ、すぐれたアドヒアランス(患者に治療への積極的な参加意欲を持たせること)が欠けている」と嘆いてみせた。というのも、断食ではルールを守れない被験者や脱落する被験者が続出したのだ。
報告によると「ドロップアウト率」は「1日おき断食」で38%。この数字について、報告の共著者である、米ルイジアナ州立大学生物医学センターのエリック・ラブシン教授は、米CNNのウェブサイトの記事で「研究の主要評価項目が減量であるにしても、追究しているのは肥満者らにダイエットを持続させる方法。1日おきに行うなどの断食は容易に取り組め、成果があがる方法だと考えていたが、このドロップアウト率は警戒レベルだ」と述べている。
「毎日カロリー制限」の場合は、文字通り毎日カロリーの計算をしなければならないので、その分、「1日おき断食」の方が持続性があるとみていたという。「毎日カロリー制限」のドロップアウト率は29%だった。
バラディー教授は「1日おき断食」、ダイエットを毎日実施しながら間に休みがあるので容易だと思っていたという。「『毎日カロリー制限』の方がゴールに向かって粘りがあり『1日おき断食』にはぶれがあるのを目の当たりにし少々驚いた」
研究では、実験期間の後半9か月を自己管理に任せたが、このためにチェック機能がなくドロップアウト率を高めたとの指摘も出されている。