ライオンは、予防歯科のためのトータルケアハミガキと位置付けている「クリニカアドバンテージ ハミガキ」を2017年6月に、フッ素を増量して改良発売する。
3月17日に厚生労働省が、薬用歯磨き剤のフッ素配合量上限引き上げを承認したことを受けての製品改良。
1人当たりむし歯数減少も経験者数は高いまま
薬用歯磨き剤のフッ化化合物配合量上限は、これまでの1000ppmから1500ppmとなり、欧米並みとなった。
厚生労働省の「歯科疾患実態調査」(2011年)によると、同年までの25年間、成人(20~40代)1人あたりのむし歯の数は減少しているものの、1本でもむし歯を経験したことのある割合は95%を超えたまま推移している。
むし歯予防にはフッ素の活用が有効と考えられており、欧米などの先進国では、むし歯の発生や進行を防止するため、歯磨き剤のフッ素配合量の上限を以前から1500ppmとしていた。
「クリニカアドバンテージ ハミガキ」の改良品では、有効成分として配合しているフッ素の濃度を1450ppm に引き上げる。
世界保健機関(WHO)や国際歯科研究協会(IADR)など国際機関は、水道水へのフッ素添加が効果的なむし歯予防法として支援しているが、反対論も根強く、日本では一部自治体による限定的実施にとどまっている。