帝王切開の子は小児ぜんそくになりやすい? 専門家も意見が2分、新説に戸惑う母ゴコロ

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衝撃!新生児の顔に膣液を塗りたくる母ゴコロの理由

   こうした中、帝王切開について衝撃的な論文が英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」(電子版)の2016年2月23日号に載った。「英国や豪州で、帝王切開で生んだばかりのわが子の顔や体に、ガーゼに染み込ませた自分の膣の分泌液を塗ることを希望する母親が増えている」と報告した。

   この行為は「vaginal seeding」(膣液植え付け)と呼ばれ、帝王切開が始まる前に膣内にガーゼを挿入し1時間ほど留置する。そして、医師に頼み、出産後に膣液が染み込んだガーゼを取り出し、新生児の目元や口の周辺、全身に塗りたくってもらうというもの。なぜ、こんな行為をするのか。実は体の中の腸内細菌が関係している。人間の腸内には1000兆個の腸内細菌がすみつき、健康状態や免疫機能を左右している。赤ちゃんが胎内にいる時は、腸内は無菌状態だ。出産で産道を通る時に膣内の細菌を肌や口から取り込んだり、母乳を飲む時に乳首周辺の細菌を口から吸収したりして、母親の腸内細菌を受け継ぐ。

   しかし、帝王切開は産道を通らないので、通常の出産児に比べ腸内細菌が少ない。このため、帝王切開児は免疫力が弱いといわれる。だから、産道を通らなかったわが子に膣液を含んだガーゼで自分の細菌を分け与えるわけだ。実際に、英医学誌「ネイチャー・メディスン」(電子版)の2016年2月2日号は、「vaginal seeding」が新生児の腸内細菌の状態を向上させるとする研究を発表した。4人の帝王切開児にガーゼで膣液を塗りつけた後、膣液を塗らなかった帝王切開児7人、通常出産児7人と腸内細菌の状態を比較した。すると、4人の腸内細菌状態は、膣液を塗らなかった帝王切開児7人よりも向上し、通常出産児7人に近い状態になった。

   もし、帝王切開の子どもに小児ぜんそくのリスクが高いとすれば、腸内細菌が関係しているのだろうか。ともあれ、帝王切開と小児ぜんそくの研究は始まったばかりだ。

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