帝王切開の子は小児ぜんそくになりやすい? 専門家も意見が2分、新説に戸惑う母ゴコロ

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   出産日を決めて計画的に帝王切開を行なう方法が世界的に増えているが、生まれてくる子どもに小児ぜんそくのリスクが高くなることが明らかになった。

   スペインの産婦人科医、小児科医、アレルギー専門医ら23人の研究チームが医学誌「Am J Epidemiology」(電子版)の2017年3月15日号に発表した。なぜ通常の出産に比べ多くなるのか不明で、専門家の中には、「帝王切開を選択する女性の不安をあおるものだ」と批判する声も上がっている。

  • 帝王切開の子にぜんそくが多い?
    帝王切開の子にぜんそくが多い?
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世界保健機関は「必要ない場合はさけるべき」

   手術日を決める予定帝王切開は世界的に増えている。さまざまな機関の調査結果によると、2017年1月現在、ブラジルが約56%と一番多く、ついで中国、韓国で40~50%以上、米国でも約35%が帝王切開といわれる。あらかじめ手術日を決めておくと、医師の側ではスケジュール管理がしやすく、妊婦の側でも出産に伴う痛みが少ないなどのメリットがある。しかし、世界保健機関(WHO)は2015年4月、「医学的に必要がない場合の帝王切開は、母子の健康のためにさけるべきだ」と警鐘を鳴らした。

   日本では、厚生労働省の2011年調査によると、帝王切開は19.2%にとどまっている。また、予定帝王切開に対する考え方が欧米などと違い、最初から帝王切開を選択するのではなく、妊娠36週目までの健診で胎児の状態が自然分娩は難しいと判断された場合に行なわれるケースが多い。

   さて、「Am J Epidemiology」誌の論文要旨によると、研究チームは、1996~2006年に欧州で出産した6万7613人に母子のケースを、分娩方法と5~9歳児の小児ぜんそくとの関係を調べた。分娩方法を「自然分娩」、「器械経腟分娩」(難産で器具を使用し膣から出産)、「予定帝王切開」、「緊急帝王切開」(緊急手術で帝王切開)の4つに分けて、小児ぜんそくのリスクと比較した。

   その結果、「自然分娩」と比べた小児ぜんそくの発症リスクは、「予定帝王切開」が33%増だった。一方、同じ帝王切開なのに「緊急帝王切開」は7%増にとどまり、「器械経腟分娩」は3%減だった。なぜ、「予定帝王切開」だけが高いのか、論文では明らかにしていない。

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