携帯の電磁波で脳や心臓に腫瘍!? 伊裁判所と米政府研究機関が判断

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   携帯電話が出す電磁波は人の健康に悪影響を与えるのかどうか――。研究者たちの議論が続いているが、2017年4月11日にイタリアの裁判所が携帯電話の使用が原因で良性の脳腫瘍ができたとする男性労働者の主張を認め、国の労災保険機関に賠償を命じた。4月23日付AFP通信など多くの海外メディアが報道した。

   2016年5月には米保健福祉省が「ラット(ネズミ)の実験で、携帯電話の電磁波を当て続けると、一部のラットに腫瘍が発生した」という衝撃の研究結果を発表したばかりだ。携帯電話は脳によくないのだろうか。

  • 携帯電話のかけすぎはアブナイ?
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15年間毎日4時間使って良性の脳腫瘍に

   イタリア・ジェノバの地方紙「IL Secolo XIX」電子版の4月22日付記事などによると、判決があったのはイタリア北部のイブレア裁判所。訴えを起こしたのはテレコム・イタリアに勤めるロベルト・ロメオさん(57)。15年間にわたり仕事で毎日約4時間以上、携帯電話を使うことを余儀なくされた。このような作業を続けるうちに右耳が常に詰まったような感覚に悩まされ、2010年に脳腫瘍と診断された。幸い、良性の腫瘍だったが、治療のために聴覚神経を切除し、何も聞こえない状態になったという。

   実はイタリアでは2012年10月に、最高裁が同様の事案で携帯電話を仕事で長時間使用していた男性に対し、「携帯電話が脳腫瘍の発症につながった」と判断、労災を認定した判決を出している。このため、ロメオさんの代理人ステファン・ベルトーネ弁護士は「イタリアの裁判所は、科学的根拠に基づき携帯電話によって生成された電磁界に発がん作用があると認識している」と主張。ルカ・ファダ裁判官は、損害賠償として毎月500ユーロ(約5万9000円)を支払うよう国民労災保険協会(INAIL)に命じた。

   ただし、ロメオさんは法廷で「私は携帯電話を悪者にする気はありません。長時間の使用はリスクを伴うことを人々に認識してほしいのです」と語っている。

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