スポーツ参加で鍛える
厚労省や文部科学省、米国立衛生研究所などが助成し、30人を超える研究者らが多面的分析を進めている日本老年学的評価研究(JAGES)プロジェクトでは、2014年7月「転倒者が少ない地域はあるか」と題した調査報告を発表。高齢者のスポーツ参加による転倒率や、要介護認定率の高低の比較を試みた。
調査は10年8月から11年1月にかけて郵送による自記式のアンケートで実施。回答者は2万9117人(回収率62.4%)で、そのうち非自立者などを除き、分析対象は1万6102人。その結果、スポーツ組織への参加が多い地域で転倒割合は有意に低く、前期高齢者では,転倒割合は最小7.4%~最大31.1%と地域間で約4 倍の差があった。また、スポーツグループの参加者は、不参加者に比べ要介護者が34%少ないこともわかった。
スポーツ参加は、転倒を予防する意味では、自らを助ける「転ばぬ先の杖」といえそうだ。