「相撲協会も駄目だ」
欠席の理由は、けがにある。稀勢の里は奇跡の逆転優勝を遂げた先の3月場所で左大胸筋損傷などを負い、4月の春巡業は協会に診断書を提出した上で全休している。しかしそれでも、横審の北村正任・委員長(76)は稽古総見欠席を受け「(稀勢の里は)土俵へ上がれなくても、まわしを締めた姿をお客さんに見せてほしかった。体調が万全ではないのでそれはそれでいい」と残念がったという。
4日放送の「ひるおび!」(TBS系)では今回の騒動を取り上げ、番組レギュラーの八代英輝・弁護士(52)が「親方との打ち合わせが(稽古総見の)前夜というのは遅すぎるのではないか」と、ギリギリになって欠席を決断した稀勢の里の姿勢に物申していた。
一方、番組では相撲協会にも責任の一端があるとする見方も出た。稀勢の里は夏場所での完全復帰に向けて一歩一歩調整を進めてきており、5月2日になってようやく三段目力士相手に相撲を取り始めていた。幕内力士とぶつかり合う稽古総見を欠席する可能性は十分考えられたと言えなくもない。「横綱論」などのコラムを日本経済新聞に寄稿していた落語家・立川志らく(53)がスタジオ出演し、「喝ですよ」と切り出した。
「親方の連絡ミスは問題外。稀勢の里は行って姿だけでも見せるべきだった。それに、相撲協会も駄目だ。8000人もお客さんが集まると見込んでやっている。直接連絡して『来てくれないと困る』と言わないといけない。ぼんやりしすぎだ。お客さんの目当ては稀勢の里なんだから」
今回の件を受けて、インターネット上でも「協会側も遅れた時点で確認しろよ」「ここで本人に罪着せる協会が意味不明」「稀勢が負傷明けなのはわかってるしイベントの目玉商品なんだから協会側からも出欠伺いしとけよ」と協会に対する疑問の声があがっていた。