おにぎりの「のり」はいつ巻く?
第2位は、黄色ブドウ球菌。注意するのはお弁当のおにぎりで、食べ方によって食中毒リスクが高まる。
まず黄色ブドウ球菌は、誰でも手のひらに付いている。素手で握ると当然、おにぎりに菌が付着する。ただし菌が少なければ問題ない。問題は、おにぎりを巻いているのりだ。最初からのりを付けて長時間たつと、食べるまでにのりを栄養分として菌が増殖してしまう。適度な温度、湿度がある今の時期は、さらに危ない。
おにぎりを握るときはラップに包んで、さらにのりは食べる直前に巻く。この2点を徹底したい。
ほかにも、黄色ブドウ球菌を爆発的に増やしてしまう何気ない行為がある。「1日おいたペットボトル飲料」だ。職場で、前日に飲みかけで置いたままのものを「もったいない」と口にしてはいないか。
室温25度で、ペットボトル入りの水、お茶、砂糖入りコーヒー飲料を12時間放置して菌がどれほど増えるかを実験した。すると水はほとんど増えず、お茶は若干減ったのに対して、コーヒー飲料は120個から820万個に。糖分を栄養として、菌が一気に増えたのだ。糖分の入った飲料を飲む際は、ペットボトルに口を直接つけず、コップに注いでからにすると食中毒予防になる。
ワースト1位は、カンピロバクター。鶏肉に付着している可能性があり、2~7日後に腹痛やおう吐の症状が現れる。鶏肉はよく火を通して食べるのと同時に、鶏肉を切った包丁にも注意したい。そのまま生野菜を切り、食べたらカンピロバクターを口に入れる恐れがある。鶏肉を切ったら熱湯消毒するか、包丁を変えて別の食材を切るといった配慮が大切だ。
1日放置するリスクは食べ物、飲み物だけではない。夕食後の食器洗いを翌日に遅らせるのも、菌を爆発的に増やしてしまう原因となる。実験によると食器のつけ置き直後は60~80個だった菌が、10時間後の水では2900万個にまで増えた。菌の中には、食中毒菌も含まれていた。1時間程度なら大丈夫だが、ひと晩たってしまうと危険度が増す。
渡辺「ぜったい洗お、今日から」