憲法改正2020年「施行」目指す 安倍首相、読売インタビューで明言

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「国民投票」までのスケジュールは?

   今回の安倍首相の発言の最大のポイントは、2020年の「施行」を目標として掲げたことだが、実現に向けたスケジュールは厳しいものになりそうだ。憲法改正には、国民投票を経る必要がある。国民投票のみを行うこともできるが、国政選挙と同時に行われる可能性もある。このまま衆院が解散されないとすると、総選挙は18年12月の任期満了後に行われる。この衆院選のタイミングか、19年夏の参院選に合わせて行われる可能性もある。

   国民投票は、次のような手続きを経て行われる。まず衆院議員100人以上、参院議員50人以上の賛成により、憲法改正案の原案が発議される。これを衆参両院の憲法審査会で審査したうえで、両院の本会議に送られる。ここで両院議員のそれぞれ3分の2以上が賛成し、可決されると、国会が憲法改正の発議を行う。この日から60日以降、180日以内に、国民投票が行われる。投票権を持つのは満18歳以上の日本国民だが、投票が18年6月までに行われた場合は満20歳以上が対象となる。

   また国会の手続きだけでなく、首相がインタビューで「国民的な議論が盛り上がっていかなければこの目的は達成できない」と指摘するように、世論の動向にも左右されそうだ。

   憲法施行70周年を機に、各メディアは世論調査を行っている。その結果を「憲法9条」への回答にしぼって見ると、NHK(4月29日)では、「改正する必要があると思う」が25%、「改正する必要はないと思う」は57%。朝日(5月2日)では、「変えるほうがよい」は29%、「変えないほうがよい」63%。毎日(3日)では「(改正すべきだと)思う」が30%、「思わない」が46%。「(改正が)必要」が49%、「必要ない」が47%となった共同通信(29日)のような結果もあるが、安倍首相が主張するように「機が熟している」かどうかは議論が分かれそうだ。

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