「やる以上は頂点をめざす」
久保については「適応能力が高い。非常に柔軟で、攻撃に変化を持たせられる。フィットするのはそんなに難しくないだろう」「彼のような選手には早く良い環境、少し高いレベルで経験させた方がいい」との展望を明かしている。2トップを用いる現在の代表のシステムでは、エースの小川航基(ジュビロ磐田)と岩崎悠人(京都サンガF.C.)が主力として双璧を成しているが、「変化」をつける意味では久保が投入される可能性もあり得る。
久保は10歳だった11年に、世界を代表する名門FCバルセロナ(スペイン)の下部組織「カンテラ」の入団試験に合格し、最初のシーズンで30試合74得点をあげて日本のみならず世界にその名を知らしめた。久保は16年12月にU-20W杯代表世代チームに初招集され、アルゼンチン遠征を経験。17年3月のドイツ遠征にも引き続き招集されると、全4試合出場(先発1試合)2得点と活躍。早々にチームにフィットし始め、W杯本戦メンバーへの選出が現実味を帯びた。これらの活躍から2020年の東京五輪でのエースと目されている。
クラブでも好調だ。4月15日のJ3第5節、セレッソ大阪U-23との試合で、Jリーグ史上最年少ゴール記録(15歳10か月11日)を打ち立てた。同月30日の第6節AC長野パルセイロ戦ではゴールこそ奪えなかったが、「黄金の左足」とは違って、利き足でない右足でシュートを放つなど存在感を見せた。さらにFC東京のトップチームでのデビューも取り沙汰され、5月3日のルヴァンカップ・北海道コンサドーレ札幌戦に向けて1日、主力組と合流して全体練習に参加した。
久保は所属するFC東京公式サイトで「U-20日本代表に選出していただき光栄です。選出の連絡を受けたときは正直驚きましたが、僕の特長を評価していただいて選んでくださったと思うので、自分の持ち味をしっかりと発揮して、チームの勝利に一つでも多く貢献できるよう頑張ります。応援よろしくお願いします」とコメントした。
FIFA U-20W杯は2年に一度開催され、今回は2017年5月20日~6月11日に韓国で行われる。24チームが参加し、4チームずつ6組に分かれ、まずグループリーグを行う。D組の日本は5月21日に南アフリカ、24日にウルグアイ、27日にイタリアと戦う。
日本のU-20W杯は、小野伸二、小笠原満男、遠藤保仁、稲本潤一らを擁した1999年大会(当時はワールドユース選手権)の準優勝が最高成績。内山監督は会見で「やる以上は頂点をめざす」と優勝に向けて力強くコメント、最年少初出場の久保が「秘密兵器」として機能すれば不可能ではない言葉だ。