「市民感情に配慮した結果です」
J-CASTニュースが17年5月1日に千葉市消防局に取材したところ、救急隊員が仕事途中にコンビニで食べものを買ったり、食事をしてはいけないという国が決めたガイドラインはないが、そのような行動は自粛し署に戻って食事を取っていた。
1989年(平成元年)の救急車の出動回数が2万件だったのに対し、近年では5万5000件に膨らんだ。しかし、隊員の数はそれほど増えていないのが現状で、現在はGPSで救急車の位置を把握し、事故や病人のいる場所に一番近い車を向かわせるため、場合によっては働き通しの隊員も出てしまう。
「救急の仕事をするうえで、隊員の体調は重要であり、しっかりと管理・調整する必要があります」
と担当者は話し、従業員食堂がある病院にお願いをし、どうしても食事を取らなければならない状況になった際は、食事や休憩に使わせてもらえるように交渉したのだという。HP上に「お願い」を掲載したことについて、担当者は、
「好ましくないとする市民感情に配慮した結果です」
と明かした。市民の中には食事をしている姿を見て不快になったり「さぼっている」と誤解をされる場合があるからだという。
J-CASTニュースは東京消防庁にも話を聞いてみた。実は東京消防庁は2005年5月13日付けで隊員に対し、救急隊員が業務の合間に救急車でコンビニやファーストフード店に立ち寄ることを解禁している。担当者はこう話した。
「食事を取れるようにする苦肉の策ではあったのですが、許可していると言っても単に、『お腹が空いた』とかでは使えない様々な条件付きです」
クレームはないのか、と質問したところ、
「私は特にクレームは受けたことはありませんが、仮に来たとしても、食事することをご理解頂ける体制は取っております」
ということだった。