日米が参加に慎重な姿勢を続けてきた中国主導の国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)への日本の参加について、自民党の二階俊博幹事長が「可能性もある」と香港メディアのインタビューに語った。二階氏は、中国の習近平国家主席らが唱える巨大経済圏構想「一帯一路」に「日本としては最大限協力していくつもり」だとも語った。
日中関係は2017年に国交正常化45周年、18年に平和友好条約締結40周年を迎える。二階氏は日中関係発展の「妨害は許されない」とも述べ、「節目」の年が続くのを機に「政冷経熱」が続く関係改善への意欲を見せた。
日中国交正常化の節目の年に
二階氏は5月14、15日に北京で行われる「一帯一路」国際フォーラムに参加予定で、それを前に香港のフェニックスニュースチャンネルのインタビューに東京で応じた。インタビューは4月26日から28日にかけて複数回にわたって放送された。
AIIBは「一帯一路」によるインフラ整備を資金面から支援する役割を果たす。二階氏は、「一帯一路」構想について
「日本としては最大限協力していくつもり。特に、中国側のリーダーシップで行われることであるにせよ、中国と日本が協力し合えれば、いい成果をもたらすことができる」
と前向きな意向を示した。また、5月の国際フォーラムには
「経団連の会長が先頭に立って協力いただけるし、各県の知事の代表も参加する」
といい、官民合同で商機ととらえている。日本のAIIBへの参加についても、
「これから日本にとっては、これに対してしっかりした答えを出さなきゃいけない時だと思うが、日本の考え方を説明していきたい」
と前置きした上で、
「可能性もある、というふうに見ておいていただいて結構です」
とした。
中国人観光客へのビザ緩和拡大も明言
日中関係全般については、
「世界に誇るべきような両国の関係。しかし、一部には難しい状況に話を持っていこうとする人も、両国の間にいないわけではないが、そんな人は一部の人」
と総じて楽観的。日中関係発展は「両国国民の最大の願い」で、「妨害は許されない」とした。その上で、中国人観光客へのビザ緩和による「爆買い」継続にも期待を込めた。
「今後、加速的にビザ緩和策は、やっていきます。今、600万人でしょ?ちょっと馬力かければ1000万人になりますよ」
中国以外の近隣諸国との関係にも話は広がり、
「円満に進めていかなけりゃいけないと言うことは十分承知している。世界各国から心配されるような日本ではない。必ず期待に応えます」
と強調。森友学園をめぐる騒動や、教育勅語を教材に使用しようとする動きについては、少数の「不心得者」による動きに過ぎない、とし
「ひとりやふたりの不心得者がおったとしても、そんなことに引っ張られるような日本ではない。日本を信頼していただいて、信じていただいて、間違いありません。ご安心ください」
と語った。