徳島ボールか千葉ボールか判然としなかった?
サッカージャーナリストで審判ライセンスを持つ石井紘人氏はJ-CASTニュースの取材に、問題のシーンについてこう分析する。
「GKの佐藤選手がピッチ外にボールを出したのか、その後に馬渡選手に当たって千葉ボールになったのか、一瞬判然としないように見えました。主審・副審ともに、ラインを割ってすぐには指示を出していませんでした。それでボールボーイも本当に徳島ボールなのか分からなかった可能性があります」
石井氏は「あのシーン、ボールボーイがボールを渡すのは決して遅かったとは言えません」としつつ、こうも述べる。
「ただ一般的に、ボールボーイがホームチームに有利な動きをする心理がはたらくのは珍しくありません。あの場面はゴールがガラ空きだったので、すぐにリスタートされたら千葉にとってはピンチでした。それで一瞬渡すのをためらったと見ることも可能です」
それでも「馬渡選手の行為は絶対にやってはいけないことです。Jリーグではボールボーイに怒りの声をぶつける場面は時々ありますが、直接的に乱暴して退場になるのは、私が知る限りでは初めてです」と話している。
ボールボーイと選手をめぐっては、16年5月29日にサガン鳥栖のホーム(ベストアメニティスタジアム)で行われた鳥栖対浦和レッズ戦で、アウェーの浦和MF柏木陽介が声を荒げる場面があった。0対0で迎えた後半アディショナルタイム、浦和がCKを獲得したが、ボールボーイがボールをすぐに渡さなかったため、時間稼ぎと思ったのか柏木が激高。「お前良いプロになれるのかよ」といった言葉をぶつけるのが中継のテレビ音声に拾われていた。