高知「日本酒一升」イッキ飲み大会 「伝統」と「危険」の賛否両論

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   高知県香南市で開催された「土佐赤岡どろめ祭り」で、大きな盃になみなみと注がれた日本酒をイッキ飲みする早さを競う「大杯飲み干し大会」が開催された。優勝したのは、一升(1.8リットル)の日本酒を12.25秒で飲み切った男性だ。

   このイッキ飲み大会は、2017年で60回目を迎えた地元の伝統イベント。県外からも参加者があり、会場に集まった約1万人の観客は酒豪たちの飲みっぷりに大いに沸いたというが、これが報じられると、インターネット上ではイッキ飲みの危険性を指摘する声が相次いだ。主催者に話を聞くと――。

  • 一升の日本酒を「ぐいーっと」…
    一升の日本酒を「ぐいーっと」…
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30センチの巨大杯を12秒で飲み干す

   毎年4月の終わりに香南市赤岡町の海岸で開かれる「土佐赤岡どろめ祭り」。1959年に始まった祭りで、高知で愛される珍味「どろめ」(生のイワシの稚魚)を肴に酒を飲むことで、豊漁を祝ったことが由来とされる。

   「どろめ祭り」のメインイベントとして、県外からも多くの参加者が集まるのが「大杯飲み干し大会」だ。これは直径約30センチの巨大な盃に日本酒を注ぎ、それを飲み干すまでの早さと「飲みっぷり」を競うもの。日本酒の量は、男性一升(1.8リットル)、女性5合(0.9リットル)だ。

   4月30日に行われた今年の祭りでは、男女合わせて27人が大会に参加。男性の部では、一升の日本酒を12.25秒で飲み干した神奈川県の男性(31)が優勝。女性の部では、12.85秒で盃を空にした地元の女性(57)が栄冠を手にした。

   大会を運営する香南市商工会の担当者は17年5月1日のJ-CASTニュースの取材に対し、今年の大会の様子について、

「1分近く時間がかかった参加者もいましたが、なんとか全員が日本酒を飲み切りました」

と話す。挑戦者は「ぐーっと、ぐーっと」という司会の掛け声に合わせて盃を傾け、飲み干した際には観客から大きな拍手や歓声が上がったという。

   しかし、大会で使われた日本酒のアルコール度数は約16%。それを短時間でまるまる一升飲み切るという大会の模様が新聞各紙に報じられると、ツイッターやネット掲示板には、

「今時こういうのって...」
    「水でも危ないくらいなのによくやるね」
    「そのうち死人出るぞ...」

などと「危険性」を指摘する声が相次いだ。

会場に医師と看護師が待機

   実際のところ、過去に事故は起きなかったのか。大会を運営する商工会の担当者は取材に、

「体調が悪くなった参加者が出て、救急車を呼んだことはありました。ただ、人が亡くなったという話は聞いたことがありません」

と話す。続けて、会場には医師と看護師を待機させているとして、「何かあった際には、すぐに対応できるようにしている」とも説明した。

   さらに担当者は、参加者にはイッキ飲みの挑戦前に医師の問診を受けてもらっているとして、

「安全には配慮をしていますし、参加者にもある程度の危険があることを理解してもらった上で挑戦してもらっています」

とも話した。

   大会は今年で60回を迎えることもあり、地元では多くの人から「これからも続けて欲しい」と存続を望む声が目立つという。一方で、県外からは「危ないから止めるべきだ」との意見も寄せられているそうだ。

   こうした賛否両論の意見が出ていることを踏まえた上で、担当者は取材に、

「色々な意見があることは承知しています。ですが、これからも安全管理を徹底して、大会は続けて行きたいと考えています」

と話していた。

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