政界屈指のプロレスファンとして知られる民進党の野田佳彦幹事長が2017年4月30日、「レジェンド」として知られる藤波辰爾(たつみ)選手と対談した。野田氏と藤波選手は初対面で、野田氏は「来ただけで、一生の思い出」と終始興奮した様子だった。
話題は政治にも及び、野田氏は「出した技にはちゃんと受けるということを、お互いにやらないと...」と、国会での論戦がかみ合わないことを嘆いた。
「かわすばかりでは、こりゃいかんと思うんですね」
対談は、「ニコニコ超会議」民進党ブースのステージイベントで行われ、「ニコ生」視聴者の要望に応じて、藤波選手が必殺技のひとつ「ドラゴンスリーパー」を大西健介衆院議員(党青年局長)や記者にかける場面も。野田氏も技を受けたかったようだが、「おれ、受けてたら大変なことになってたね。まだ国会中なんで」と残念そうにしていた。
盛り上がった話題のひとつが、「ライバル」のあり方についてだ。藤波選手と長州力選手は長年のライバルで、両者による一連のシングルマッチは「名勝負数え歌」として知られる。互いに敬意を持っていたとして、藤波選手は
「戦う中で、お互いにそういうの(敬意)は持つようになりましたね。リングで戦ってなくても、意識はしている。彼がどこかで体調を整えているのではないか。僕も体を動かさないといけない」
と述懐。野田氏も
「我々も、やっぱりどこかで、それを持っていないと、同じ国の政治家同士...。逆に言うと、出した技にはちゃんと受けるということを、お互いにやらないと。かわすばかりでは、こりゃいかんと思うんですね」
と応じながら、次のように党勢の回復を誓っていた。
「大きな過渡期なのは、ひとつだけ(政党が)強いんですよ、どっかのブース(民進党の近くにある自民党ブース)は、ものすごく強い。このブースだけ強くちゃいけないんで、ライバルになることころが出てきて、そこで切磋琢磨して新しい技が生まれたり、新しい個性が出てきたりする。そうなるように、我が業界も頑張らなきゃいけないし、特に我が集団も頑張らなきゃいけない」
「VR蓮舫」では心拍数変化せず
野田氏は、専用のゴーグルをつけて、首相の立場で蓮舫氏の追及を疑似体験する「VR蓮舫」も体験。追及を受けても、どのくらい心拍数を変動させずに済むかを競う趣向だが、野田の心拍数は変化しないままで、記者からは驚きの声が上がった。野田氏は
「私は慣れているからなので...。初めての方が経験すると、多分びっくりする」
と説明しながら、
「そういう鋭さ、戦う姿勢というのは9日の(参院)予算(委員会)の集中審議で是非出してほしいし、かみ合う議論をしてほしい」
などと「リアル蓮舫」にハッパをかけていた。