ロボットの「お願い」なら聞いちゃう 介護現場の未来図が見えてきた

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促すタイミングと適切な促し方が大切

   同じ名古屋市の介護老人保健施設が導入したのは、「ネコ型ロボット」だ。ネコのぬいぐるみに見えるが、体中あちこちにセンサーが取り付けられており、触り方やなでる位置によって鳴き声をあげたり、のどを鳴らしたりと多様な反応を見せる。

   病気で右半身が不自由な87歳の女性。以前は職員がお茶を勧めても、なかなか飲まなかった。そこで「ネコちゃんが『飲んで』と言ってますよ」と話しかけると、女性はお茶を口にするようになった。ほかにも、部屋に閉じこもりがちだった人が出るようになり、入居者の間でネコの話題で会話が弾むようになったという。

   スタジオで見ていたゲストたちも、驚いた様子だ。

俳優の藤本隆宏「介護ロボットというと、力でヘルプしてくれると思ったら、全く違うんですね」
エッセイストの岸本葉子「ロボットの登場で(高齢者が)動けるようになるんですね」

   介護を長年研究している医師の大川弥生氏は、「促す」重要性を力説した。介護とは「力技」で高齢者を手伝うことと思いがちだが、促すことで本当は本人ができていたことをやれるようになり、それを繰り返せばさらに多くのことができるようになる。

   気をつけたいのは、促すタイミングと適切な促し方だ。

   タイミングは、単に話しかけるだけではなく高齢者が今どのような状態にあるかを確認するのが大切。しかし――。

MCの井ノ原快彦「家で介護している人が、毎日いいタイミングで優しく声掛けできるだろうか」

   すると、親を5年間介護した経験のある岸本が「そうなんですよ!」と声を上げた。

岸本「(家族が)自分の都合で(高齢者に)声をかけたり、声音も安定していない...」

   大川医師は、高齢者に対してつい「自分でできるんだからやりなさい」と言いたくなることがあるので、注意しなければならないと指摘した。一方ロボットなら、その心配はない。ただ毎日同じセリフを話しても今度は高齢者が飽きてしまうので、バリエーションを持たせるようプログラミングしているという。

大川医師「ロボットが、人間が、ではなく、ロボットをうまく使って介護の質を上げると考えると良いでしょう」
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