清涼飲料メーカーが、ジュースや缶コーヒーなどの自動販売機向けのサービスを相次いで強化している。スーパーやコンビニエンスストアなどに押されて自販機の販売シェアは縮小が続いており、各社は消費者の関心を引くサービスを打ち出すことで、自販機での飲料販売拡大を目指す。
自販機での飲料販売は近年、苦戦している。スーパーやコンビニでの購入が増えたことで、清涼飲料販売全体に占める自販機のシェアは3割程度にとどまる。売り上げは2016年までの10年間で20%以上減少した(日本自動販売機工業会調べ)。
「1年で設置台数を2万台に」
こうした中、飲料各社が次々と打ち出しているのはスマートフォン(スマホ)に連動したサービスだ。キリンビバレッジは2017年4月から、スマホの無料通話アプリ「LINE」と連動し、画面を同社の自動販売機にかざせばLINE上の電子マネー機能で飲料を買ったり、飲料と交換できるポイントをためたりすることができるサービス「Tappiness(タピネス)」を始めた。
同社は、LINEユーザーが国内6600万人に上ることに着目。若者世代を中心に需要を見込んでおり、「1年で設置台数を2万台に増やしたい」と意気込む。
スマホの専用アプリを使ったサービスも多い。日本コカ・コーラは昨16年から、専用アプリを通じて飲料を15本購入するごとに1本無料になるサービス「Coke ON(コークオン)」を実施。ダイドードリンコも、たまったポイントを商品と交換できる「Smile STAND(スマイルスタンド)」を提供している。