「プロポーズされたら~」のキャッチフレーズでおなじみの結婚情報誌「ゼクシィ」が2017年4月から新たに放映しているCM共感が広がっている。理由はCMでのキャッチフレーズだ。しかし、そのフレーズはおなじみのあれではない。
「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」
という言葉だ。従来の結婚観にとらわれない生き方を選択する人が増えている中、結婚情報誌がこうしたコピーを打ち出すことに「誰の生き方も否定してないから良い」と評価されているようだ。
結婚情報誌が使う新鮮さ
ゼクシィはリクルートが発行する結婚情報誌。「プロポーズされたら、ゼクシィ」というCMのキャッチフレーズで広く知られ、歴代ゼクシィCMガールとして加藤ローサさん、広瀬すずさん、吉岡里帆さんなどを起用してきたほか、木村カエラさんの「Butterfly」、斉藤和義さんの「ウエディング・ソング」などの「結婚ソング」を世間に広めてきた。
そんな中、今回注目を集めているのは、17年4月から放映されている「『私は、あなたと結婚したいのです』風船篇」。新婦役は10代目ゼクシィCMガールで女優の佐久間由衣さん(22)、新郎役はモデルの清原翔さん(24)が務めている。
CMは上空から街を眺めるショットからスタート。「70億人が暮らすこの星で結ばれる。珍しいことではなくても奇跡だと思った」とナレーションが入ると、カラフルな風船を手に宙に浮かぶ新郎新婦が映し出される。新婦は一瞬、嬉し泣きをしそうな表情を浮かべながら、
「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」
というナレーションとともに、新郎の胸元に顔をうずめ、幸せを噛みしめる。人生の新たな門出を祝福するロマンティックなCMだ。
結婚情報誌の「ゼクシィ」が「結婚しなくても幸せになれる時代」という言葉を使ったことが世間には、新鮮かつ好印象に映ったようで、ツイッターやCMを公開したYouTubeのページには、
「誰の生き方も否定してないから良い」
「このコピーを考えた方はどなたなのでしょうか。久々に鳥肌が立ちました」
「多様性を意識した前置きはさることながら、『私』と『あなた』の二者間のことなんだ、っていうのが配慮でもありロマンチックでもあり」
「結婚したくなるし、でも独身でいることを否定もしていないし、とても考えられてる...」
など、高く評価する声が並ぶ。
常見陽平氏「結婚押し付けうぜえ感がない」
このCMについては、千葉商科大学国際教養学部専任講師の常見陽平さんも4月20日、自身のツイッターで、
「うん、ゼクシイがこれを言ったのは偉い 結婚押し付けうぜえ感がない」
と投稿。Yahoo!ニュース個人でも「ゼクシィがCMで『結婚しなくても幸せになれるこの時代』と言い切ったのは事件だと思う」というタイトルの記事を公開し、
「いかにも、リア充イメージ、幸せの押し売りイメージのこの媒体がこう宣言したのは事件だ。ただ、こう語ることにより、同誌はますます「結婚する花嫁を応援するメディア」であり続けると、旗幟を鮮明にしたのではなかろうか。」
と綴っている。
ゼクシィの公式サイトでは、新CMの企画意図について
「同じ時代に生まれて、たくさんの人の中から出会い、結ばれるなんてそれは、とても奇跡的なできごとなのだと思います。その奇跡的な幸せをかみしめる、花嫁花婿のふたりの気持ちを表現したいと考えたCMです」
と説明がなされている。