参道によって「実に多様な姿」がある
永太郎さんは、高校生のころから「参道」に興味を持っていたという。
「私は神社をまわるのが趣味で、よく地図を見ながら小さい神社を探し歩いていました。そこで気づいたのは、『神社は周辺の景観に強い影響を与えている』ということです」
参道は神社そのものではないが、その道沿いには鳥居や灯籠など、「神社らしさ」を感じさせるものが多くある。大きな神社なら、飲食店や土産物屋が門前町をなしていることも少なくない。
「さらに、景観には現れていなくても、地図で見ると、神社からまっすぐ伸びる道がずっと続いていたりと、参道を感じさせる道は多くあります」
2キロに及ぶまっすぐな参道が続く、埼玉・氷川神社。鳥居の前を京阪電車が通り、参道が分断された滋賀・関蝉丸神社。京都・西本願寺のように仏具店が建ち並ぶ参道もあれば、占い屋が集まる大阪・石切劔箭神社、あるいはラブホテルに囲まれた大阪・生國魂神社のような「聖と俗が混じりあう」参道もある。
店でにぎわう参道から、厳かな参道まで。まっすぐな参道から、くねくねと曲がった参道まで。「参道によって実に多様な姿がある」(永太郎さん)。