「がん検診」の疑問を徹底解説 値段は?回数は?効果あるの?(後編)

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検診で100%がんを見つけられないけれど

   一方で、アミノインデックス検査をきっかけにがん検診の受診率アップに成功したのが、鳥取県南部町だ。「がん征圧宣言」を出した2011年当時、国が推奨するがん検診の受診率は芳しくなく、最も高い大腸がん検診で35.9%にとどまっていた。

   そこで町では、簡単に受けられるアミノインデックス検査に補助金を出し、町民は1000円だけの負担とした。すると多くの人が関心を持った。費用が安く、がんへの不安もあり、町民の5人に1人が検査を受けたのだ。

   なぜ国推奨のがん検診を避ける人が多かったのか。町民に聞くと「怖かった」という答えが出てきた。検査でがんと宣告されたら受け止められる自信がない。でもアミノインデックス検査は「リスク」の有無を知るだけなので、気持ちの上で楽だという。C判定が出たら、きちんと精密検査を受けようと前向きな気持ちになれるというのだ。

   だが、国推奨の検診も実際は「がんリスク」を示すだけだ。この点はどうやら誤解が生じていたのかもしれない。ゲストで元バレーボール女子全日本代表の益子直美さんも、こう話した。

益子さん「がん検診っていうと、ちょっとハードルが高くて。私もずっと逃げて逃げて...結果が怖いな、と」

   南部町では、アミノインデックス検査の広がりとともにがん検診の受診率も軒並みアップ。2011年と15年を比べると、例えば肺がん検診の場合、27.4%から42.9%と大幅に上昇した。

   がん検診については視聴者の関心も高く、番組に多くの投書が届いた。そのひとつは、肉親が毎年検診を受けて「異常なし」との結果だったにもかかわらず、検診の数か月後に末期がんと診断されて半年後に亡くなったとの内容だった。投書した人は「がん検診なんて意味がないですよね」と手厳しい。

   国立がん研の斎藤さんは「検査でがんを100%見つけられる、(絶対に命を)助けられる、というものではありません」と説明。それでも、がんで死亡するリスクを下げることは実証されていると続けた。合わせて、検診で異常がなかったとしても、自分で「おかしい」と感じたら必ず医療機関で診察を受けるよう勧めた。

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