監査法人の「適正意見」なしで決算の発表を強行した東芝が、監査法人を変更する方向で検討している模様だ。日本経済新聞などが2017年4月26日から27日にかけて相次いで報じた。
このままでは「適正意見」がもらえるメドが立たないための判断だとみられるが、「『イエス』と言ってもらえそうなところを選び直している」とも映る。その上、アナリストからは「他の会社に頼んだところで『イエス』と言ってもらえるのか...」といった声も出ており、変更してもしなくても「茨の道」だ。
「意見不表明」は東証の上場廃止基準に抵触
東芝は2度にわたって16年4~12月期決算の発表を延期していたが、国が認めた期限にあたる17年4月11日に発表した。だが、監査法人のお墨付きにあたる「適正意見」がない「意見不表明」状態という、上場企業としては異例のものだった。経営破綻した米原発子会社のウェスチングハウス(WH)をめぐり、さらに調査が必要だとするPwCあらた監査法人と、これ以上の調査は必要ないとする東芝との溝が埋まらなかったためだ。監査法人の「意見不表明」は東京証券取引所の上場廃止の基準に抵触し、このままでは廃止のおそれが出てくる。
そんな中で浮上したのが監査法人の「交代論」で、4月26日付の日経新聞朝刊では、「株式の上場維持へ向け準大手の監査法人を軸に後任選びを急ぐ」と解説している。