「エリア88」などの作品で知られる漫画家の新谷かおるさん(66)が、いったん筆を置くとツイッター上で表明した。残した足跡は大きいだけに、ほかの漫画家から感謝の言葉が次々に寄せられている。
新谷さんは、1972年にデビューし、「宇宙戦艦ヤマト」などで知られる松本零士さん(79)のアシスタントも務めた。
「一休みしてから新しい事に向かいます」
78年から週刊少年サンデー増刊号で連載を始めた「ファントム無頼」で、一躍注目を集める。翌79年には、傭兵部隊に入ったパイロットの活躍を描いた「エリア88」を少年ビッグコミックで連載し、人気漫画家となった。81年に週刊少年サンデーで連載を始めた「ふたり鷹」もヒットし、84年にはテレビアニメ化されている。
戦闘機などのメカの描写を得意にする一方、少女漫画に影響を受けた繊細な人物描写でも評価されている。
2011年からは、月刊コミックフラッパーで「クリスティ・ロンドン マッシブ」を連載しているが、17年4月26日夜、ツイッター上で前日に最終回を脱稿したとして、こうつづった。
「これで漫画家として、一旦筆を置きます。そして今日は66歳の誕生日。一休みしてから新しい事に向かいます。長い間、ありがとうございました」
このツイートで、新谷さんが漫画家を引退するのではといった憶測も出て、ネット上で波紋が広がった。
「これはショック お疲れ様でした」「エリア88は好きだったなぁ」「レジェンドの一人だから筆置くのは寂しい」...
これを最後に、新谷さんが引退するということはあるのだろうか。
KADOKAWAの月刊コミックフラッパー編集部の担当者は4月27日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。
「創作から離れられるとはとても思えない」
「創作活動から引退するとは、伺っておりません。断筆宣言といったものではなく、今回の作品が最終回を迎えたという近況報告以上のことではないと思います」
担当者は、休養中に何をするのかは聞いておらず、また新しい事とは何かについても言える段階ではないとしている。
新谷かおるさんのツイッターは、妻で漫画家の佐伯かよのさん(65)も兼用しており、2月25日には、読者から新谷さんの次回作に期待しているとのツイートを受けて、こうつぶやいていた。
「この後、新谷はお休みしてたクリスティを終わりに向けて描き上げる予定です。一息ついたらまた新しい物をと思案中。楽しみにしてて下さい」
このツイート内容からは、新谷さんは、次回作を考えているとも読み取れそうだ。
新谷さんの「休筆」については、ほかの漫画家から、これまでの作品への感謝も含めて、次々にツイートが寄せられている。
テレビドラマ化された「家栽の人」で知られる魚戸おさむさんは、「うわあ!お聞きしていましたが今日でしたか!!」「次の『新しい事』画何か分かりませんが楽しみにしています」(原文ママ)と新谷さんに呼びかけた。また、テレビアニメにもなった「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」作者の環望さんは、「先生が創作から離れられるとはとても思えませんので、そのうちなにか始めてくださるのを首を長くしてお待ちします!」と書いていた。