幼児の手足口病が西日本で流行の兆し  鹿児島、佐賀、宮崎で警報レベルに

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   口の中や手足に水疱性の発疹ができる手足口病が九州地方を中心に流行の兆しを見せていることが、2017年4月25日に国立感染症研究所が発表した調査でわかった。

   同研究所がまとめた4月10日~16日の週の全国患者報告数(全国3000地点)は、定点あたりの平均で0.26人となり前週に比べ倍増、九州では流行の警報基準値を超える地域が出てきた。特に前週に比べ4倍近く増えた鹿児島県では手洗いなど感染予防の徹底を呼びかけている。

  • 予防にはしっかり手洗いを(写真はイメージです)
    予防にはしっかり手洗いを(写真はイメージです)
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大半の子は数日で治るが、まれに脳炎の恐れ

   同研究所の発表によると、都道府県別では宮崎が最も多く2.28人。続いて、広島(1.21人)、鹿児島(1.15人)、佐賀(1.0人)、秋田(0.86人)、熊本(0.82人)、富山(0.79人)、愛媛(0.76人)、大阪(0.64人)、京都(0.62人)、福岡(0.58人)などの順で、西日本が目立つ。個別の保健所の管轄地域でみると、鹿児島県の川薩保健所の報告数が11.75人となり、警報基準値(5.0人)を大きく上回った。宮崎県の都城(6.67人)、佐賀県の唐津(5.25人)の保健所でも警報基準値を超えた。

   厚生労働省の感染症情報によると、手足口病は、水疱性の発疹を主な症状とした急性ウイルス性感染症で、乳幼児を中心に夏に流行することが多い。主な病原ウイルスは「コクサッキーA16」「エンテロウイルス71」で、感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足底や足背などに2~3ミリの水ぶくれ状の発疹が出る。発熱は約3分の1にみられるが、あまり高くならず、高熱が続くことはほとんどない。手足口病に特効薬はなく、特別な治療方法もないが、大半の子どもは数日のうちに治る。

   しかし、まれに髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症のほか、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺など、さまざまな症状が出ることがある。特に「エンテロウイルス71」に感染した場合には、中枢神経系の合併症を引き起こす割合が高い。高熱が出る、発熱が2日以上続く、嘔吐する、ぐったりするなどの症状が出たら、すぐに医療機関を受診したほうがよい。予防には、しっかりと石けんと流水で手洗いをすることが大切だ。

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