ステッキというと足腰の悪い人が使うものというイメージがあるが、欧米では日常のファッションアイテムでもある。スマートな英国紳士風にすてきなステッキをもつにはどうしたらいいのか。正しい使い方はどうなのか。そんな疑問に答えてくれる相談会が、2017年4月27日に千葉県船橋市の「ららぽーとTOKYO-BAY」で開催された。
相談会を開催する企業の一社、Gaaru(ガアル、千葉県船橋市)に話を聞いた。
年寄りの道具感を払しょくするステッキ
ステッキというと足が弱ってしまった高齢者などが歩行を補助するために使用している福祉用品のイメージが強いが、ガアルが販売する「Walking Stick(ウォーキングスティック)」はシンプルながらファッショナブルで、いわゆる英国紳士が使っていそうなデザインだ。J-CASTヘルスケアの取材に答えた取締役の奥村嘉之氏も「自分たちがプレゼントしたくなるようなステッキを作りたかった」と話す。
「ステッキは足腰の悪い人が使うものというイメージを変える、かつて英国などで使用されていたファッションアイテムのような雰囲気を出したいと考えて製作しています」
そのため、あくまでも日常生活で躓きやすくなったりふらつきが気になるなど、自覚症状がある自立して歩行できる人の転倒予防用を想定しており、ステッキがなければ歩けないというような状態の人には、同社のステッキではなく福祉用具としてSGマークを取得した4本足の杖などをすすめているという。
同社のウェブサイトには、ステッキ・杖の長さの選び方として長さの目安を「身長÷2+1センチ」で算出するよう進めている。同社のステッキに当てはめると、身長150センチ前後で76センチのSサイズ、160センチ前後で81センチのMサイズ、170センチ前後で86センチのLサイズだ。奥村氏によると、同社のステッキに限らず福祉用品などを選ぶ際にも一般的に利用される目安だという。
かばいたい足とは逆の手で持つ
持ち方はどうだろうか。まず、筋力が低下している足とは逆の手で杖を持つ。左足をかばいたいなら右手で持つわけだ。そして、ステッキの曲がりの上部に手を置き、支柱に指を添える。同社のステッキの場合、曲がりの部分が皮のカバーでおおわれており、意匠として取り付けられているボタンを指差す様に持てばよい。
歩く際は、杖を前に出し、次に杖を持っていないほうの足、最後に杖を持っているほうの足の順番で歩いていく。
「持ち方や歩き方も、福祉用具の講習会などで基本的な使い方とし説明されるものです。ただし、使う方によって調整が必要な部分もあるので、細かな使い方は相談会などで福祉用具専門相談員のアドバイスを受けることをおすすめします」(奥村氏)