「東北でよかった」称賛ハッシュタグとして急拡散 今村発言を逆手に

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   今村雅弘・前復興相の辞任のきっかけとなった「東北でよかった」という「不適切発言」が、ツイッター上でポジティブな意味に生まれ変わった。

   ハッシュタグ「#東北でよかった」をつけて東北地方の美しさを伝える投稿が大量になされているのだ。

  • 「#東北でよかった」付き投稿の中に、青森県田舎館村の田んぼアート写真もあった (C)TOHO CO., LTD. (写真提供:コメ太(@rice19971111)さん。2016年10月6日撮影)
    「#東北でよかった」付き投稿の中に、青森県田舎館村の田んぼアート写真もあった (C)TOHO CO., LTD. (写真提供:コメ太(@rice19971111)さん。2016年10月6日撮影)
  • 「#東北でよかった」付き投稿の中に、青森県田舎館村の田んぼアート写真もあった (C)TOHO CO., LTD. (写真提供:コメ太(@rice19971111)さん。2016年10月6日撮影)

当初は復興相批判ばかりだったが...

   今村復興相は2017年4月25日、所属会派のパーティーで講演した際に、東日本大震災の被害に関して「まだ東北で、あっちの方だったから良かった。首都圏に近かったりすると、莫大な、甚大な額になった」と発言し、講演後に謝罪。26日に復興相を辞任した。

   不適切発言として大きな批判を集めることになった「東北でよかった」という言葉だが、ツイッター上での扱いは不思議な変遷を見せている。今村氏の発言が報じられた後、ハッシュタグ「#東北でよかった」をつけた投稿が大量に見られたが、25日21時ごろまでは「さすがにこれはダメ」など今村氏を批判する内容でほぼ占められていた。

   それが21時過ぎあたりから、野球ファンだろうか「楽天イーグルスが東北でよかった」「震災が東北で良かった発言は許せないが、楽天が東北で良かった!!」という内容とともに同ハッシュタグをつけて投稿されるようになった。23時30分ごろには、あるユーザーが「まあ物議を醸してるワードだけど、、、我が家の庭にしっかり根を張り力強く咲いてる桜を見てくれや。だいぶ年寄りな桜の木ですが毎年頑張って咲いてくれてます」として青空の下に立つ桜の木の写真を投稿し、この辺りから「#東北でよかった」の使われ方が明らかに変化し始めた。

「シン・ゴジラ」の田んぼアートも

   26日未明からは、銀杏の並木道、真っ青な空と農道、菜の花畑、岩手の世界遺産・平泉など、東北地方の美しい風景を納めた写真が「#東北でよかった」をつけながら次々に投稿された。「こういう失言を明るく変えていく流れ好きです」「素敵なタグ発見」「愛にあふれたタグになっていた」と反響を集め、同日早朝からツイッターで盛り上がっているワードを表す「トレンド」入りしている。

   中でも大注目を集めたのが、26日にツイッターユーザー「コメ太」さんが投稿した青森県田舎館村の「田んぼアート」の写真だ。ユーザーは「写真に収めるの大変だったけど凄かった」として、稲で描かれた「シン・ゴジラ」の写真をアップロードした。

   コメ太さんはJ-CASTニュースの取材に、「#東北でよかった」タグをつけた思いについて、「東北だからこその魅力を発信したいと思い、投稿しました。写真を見て興味を持った方がいましたら是非、迫力ある田んぼアートを、自分の目で見に行ってほしいと思います」と答えた。写真はスマートフォンのパノラマ機能を使って画面内に収めたという。

   同村は公式サイトでも「田んぼアートの村」と明記するほど同アートによるPRに力を入れている。J-CASTニュースが同村企画観光課に取材したところ、アートに使用している田んぼは2面あり、面積は1万5000平方メートルと1万平方メートル。1993年から毎年続けており、「東日本大震災直後の田んぼアートに関しては、復興の意味も込めて制作しました」という。今回、東北の美しい風景のひとつとしてツイッターで話題になっているのは「率直に嬉しいですね。村としてはこれからも毎年続けていきます」と話していた。

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