北朝鮮が6回目の核実験を強行する可能性もある、とみられていた朝鮮人民軍の創建記念日にあたる2017年4月25日、夕方時点では核実験は行われていないものの、依然として予断を許さない状況が続く。そんな中で、有事の際の中国の対応について解説した中国紙の社説が波紋を広げている。
仮に米国が北朝鮮の核施設を攻撃したとしても、中国は軍事的に介入しない、という内容だ。中国が米国による攻撃を容認するともとれる内容で、韓国紙は「『6回目の核実験はするな』という『最後通告』」だと分析している。
政権転覆は座視しない
中国は北朝鮮に対して一貫して核開発を断念するように求めており、政府の意向を忖度(そんたく)しているとされる中国メディアの北朝鮮に対する論調も厳しさを増している。特に中国共産党系の環球時報が4月22日に掲載した社説では、有事の際の中国政府の行動を「代弁」した。社説では、
「今が中国政府にとって、戦争が起こった際に中国が取る、事前に確立された立場を米国に説明しておく良い時期だろう。北朝鮮政府が断固として核プログラムの開発を続け、その結果として米国が北朝鮮の核施設を軍事攻撃した場合、中国はこの動きに外交チャンネルでは反対するが、軍事行動には関与しない」
などと説明。核施設への空爆であれば中国は容認するともとれる内容だ。その一方で、地上戦による攻撃や、政権の転覆は容認しない考えのようだ。
「しかし、米国と韓国の軍隊が北朝鮮の政権を壊滅させる直接的な目的で非武装地帯(DMZ)を地上から侵略するならば、中国は警鐘を鳴らし、直ちに軍隊を増強するだろう。中国は、外国の軍隊が北朝鮮の政権を転覆させるのを座視することは決してない」
韓国の朝鮮日報は4月24日付の社説で環球時報の社説を取り上げ、
「中国が北朝鮮に対して『6回目の核実験はするな』と最後通告したものと受け止められている」
と解説している。