ツイッタートレンドに「ミサイル50発」 北朝鮮めぐる「デマ」の「震源」

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   2017年4月25日の朝5時に「北朝鮮がミサイル50発を日本に向けて発射する」というデマ情報が、北朝鮮の人民軍創建85年の節目にあたる25日未明、インターネット上で出回った。

   ツイッターの「トレンド」欄には一時、「ミサイル50発」というワードが登場。このデマ情報を信じ込んでしまったネットユーザーも多かったようで、ツイッターには「怖くて寝れなかった」「怖すぎて震えてる」といった声も相次いでいた。

  • 米原子力空母のカールビンソンが西太平洋に派遣されたことで、米国と北朝鮮の緊張が高まっていることは事実だ
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デマ情報を「拡散希望」

   今回のデマ情報がネット上で広まったのは、あるツイッターユーザーの投稿が発端とみられる。一般人ながら6万人以上のフォロワーを抱えるこのユーザーが24日22時過ぎ、

「明日の朝5時に北朝鮮がミサイル50発撃つらしい」

という一言を呟いたのだ。その数十分後、このツイートを目にしたフォロワーの一人が、

「25日(明日)の朝5時に、東京にミサイル50発撃たれるらしいぞ!(略)東京にいる人は今すぐ避難した方がいい」

と注意を呼び掛ける内容のツイートを投稿。このツイートには「拡散希望」のハッシュタグが付けられていたほか、弾道ミサイル落下時にとるべき行動をまとめた画像も添付されていた。

   こうした2つの投稿が拡散の起点となった模様で、ネット上ではこのデマ情報が急拡散。ツイッターの「トレンド」欄には、24日の深夜23時頃から翌25日の朝4時頃まで「ミサイル50発」というワードが表示されていた。

   実際、ミサイル発射に関する投稿の内容を信じ込んでしまったユーザーも多かったようで、ツイッターには、

「ミサイル怖過ぎて寝れなかった...」
「ほんとに怖すぎて震えてる」
「やめてくださいお願いします。 震え止まんないし、どの音にも敏感になってる」

といった投稿も数多く出ていた。

「ミヤネ屋」にも飛び火

   結局のところ、北朝鮮が25日の朝5時にミサイルを発射することは無く、ネット上では「何事もなかった」「生きててよかった」と安堵の声が広がることになった。

   だが一体なぜ、根拠のない「ミサイル発射情報」を唱えるユーザーが出たのか。その理由について、ネット上では、24日昼放送の情報番組「情報LIVE ミヤネ屋」(日本テレビ系)の内容の一部が誤解され、独り歩きしたのではないか、との推測が出ている。

   24日の「ミヤネ屋」では、25日に北朝鮮がミサイルを発射する可能性を取り上げた。その中で、番組にVTR出演していた「コリア・レポート」編集長の辺真一(ピョン・ジンイル)氏が、「ミサイル50発」と「朝5時」という2つの言葉自体は、確かに口にしていたのだ。ただ、番組中の辺氏はあくまで、

「北朝鮮のここ数年間のミサイルの発射をこまめにチェックしますとね、少なくとも発射場は十数か所ある。(略)万が一これが発射された時には、50発が一気に飛んでくる」
「もう一つは北朝鮮のミサイル発射の時間帯なんですよ。調べてみると去年(16年)の3月から7月に十数発が発射されていますけど、発射時間帯の平均で明け方の5時頃なんですよ」

など、「万一」の仮定の話や、過去の傾向に触れただけだ。

   しかし、ネット上では「ミサイル50発の情報を流したのはミヤネ屋だ」という新たなデマも拡散。「濡れ衣」なのだが、ツイッターには、

「今回のデマはミヤネ屋発信かよ」
「ミヤネ屋はデマばっかりじゃねえか」
「ミヤネ屋は今日謝罪するのかな?」

と勘違いした投稿も数多く出ている。

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