男性も緩やかに更年期障害に陥る
更年期障害に悩まされたことを告白した芸能人はあまり多くないが、古くは木の実ナナさんや森昌子さん、高畑淳子さんが、最近では元グラビアアイドルの川村ひかるさんがいる。
川村さんは2016年にテレビ番組にVTR出演し、自身が閉経前に発症する若年性更年期障害で「物忘れが激しくなり、海外旅行に行くのを忘れた」「体重が減ってしまい36キロに」といった過酷な症状に悩まされたことを語っていた。
女性特有の症状と思いがちだが、男性も加齢とともに男性ホルモンの「テストステロン」が減少していく。テストステロンの減少は性欲減退やEDの原因でもあるが、日本泌尿器科学会は「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH 症候群)」という疾患であり、いわば男性版更年期障害であるとしている。同学会の「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH 症候群)診療の手引き」では、これまで加齢にともなう変化であるとされ見逃されてきたが、実際にはメタボリックシンドロームや2型糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞のリスクを上昇させる危険な状態であると指摘。
男性専門外来を設けているメンズヘルスクリニック東京はウェブサイトで中高年以降、性欲や勃起頻度の低下、集中力の低下、疲労感、うつ症状、不眠などの自覚がある場合は受診するよう呼びかけている。
なお、男性更年期障害も女性と同様、ホルモン補充療法などが有効なようだ。