体長1ミリの線虫が尿1滴で診断...早期発見のがん検査、実用化へ 

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   九州大学の研究チームが取り組んでいた、線虫の性質を利用したがん検査をめぐり、同大発のベンチャー企業、HIROTSUバイオサイエンス(ヒロツバイオ)と日立製作所が共同研究により実用化を目指すことを明らかにした。

    両社は2019年末から20年初めにかけての事業化を目標にしている。

九大ベンチャーと日立が共同研究

   両社は17年4月18日、線虫によるがん検査の実用化に向けた共同研究開発契約を同日締結したこと発表した。「大量の検査を実現する自動化技術を確立し、がんの早期発見に貢献したい」としている。

   検査で使われる線虫は、体長1ミリ程度のヒモ状の動物。九州大学の研究チームは、この線虫が、がん患者の尿に引き寄せられ、健常者の尿は避ける特性(化学走性)を突き止めたと、15年3月にその成果を発表した。

   線虫を使うがん検査の技術は「n-nose(エヌ・ノーズ)」と名付けられ、同研究にあたっていた九大大学院理学研究院生物科学部門助教の広津崇亮(たかあき)氏が16年9月、この技術の事業化を目指すベンチャー、ヒロツバイオを立ち上げた。

   日立ではこれまで、日立健康保険組合と連携し、線虫がん検査自動解析技術を新たに開発。両社はこれを活用した検査の自動化についての共同研究を行う。

   「エヌ・ノーズ」は、尿を検体とする簡単な検査方法でありながら、多種類のがんを高精度で判定するという。ヒロツバイオによると、同社の最新の臨床研究結果では、がん患者をがんだと判定する感度(刺激に応じた出力の能力)は93.8%。また、早期発見が可能という。

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