フリーマーケットアプリ「メルカリ」で1万円札など現金の怪しい取り引きが行われていると、ネット上で騒ぎになった。これを受けて、メルカリでは、お札の「出品」を禁止する措置を取った。
投稿された画像には、普段使っている1万円札などがずらりと並び、お札が額面より上乗せされた価格で売られていた。
クレカのショッピング枠を現金化したい人を狙った?
具体的な出品例では、1万円が1万1900円で、4万円が4万7300円で売られており、落札もされていた。中には、20万円が22万9300円、30万円が35万円といった高額のケースもあった。
メルカリの現金出品は、2017年4月22日ごろからツイッター上などで話題になり、「現金が売れてる...?」「意味がわからない」「この世の闇だね...」などと次々に書き込まれている。
ネット上では、現金出品の理由については、クレジットカードのショッピング枠を現金化したい人を狙っているのではないかとの憶測が出ている。消費者金融などからの借金が膨らめば、支払い期限に迫られて当座の現金が必要になるからだ。メルカリの決済はクレジットカードでもできるため、4万円のお札をそれ以上の価格でカード決済しても、手元に現金4万円を手にしたい人がいるということだ。
また、不正に得たお金を取り引きを通じて正当に得たお金とみせかけるマネーロンダリングの可能性もあるとの指摘もあった。
「上限までキャッシング使っちゃった人がそれでも現金必要でショッピング枠で手に入れるみたいな感じ?」
「今度はクレジットカードの支払いができずに破産だろうね。借金は怖いな」
「これって規制の対象にならないんですかね。闇過ぎる」
ネット上では、こんな指摘も出ていた。
「マネーロンダリングなどのトラブルになる可能性」
クレジットカードの現金化については、各カード会社が会員規約で禁止している。多重債務につながったり、犯罪やトラブルに巻き込まれたりする恐れがあるからだとされる。
日本クレジット協会は4月24日、J-CASTニュースの取材に対し、広報担当者が次のように話した。
「今回は、現金売買の目的などがよく分からないですが、クレジットカードの現金化であれば問題だと考えています。落札代金の支払いだけでは実態がつかみづらいと思いますが、カード会社から規約違反とみなされる可能性はあるでしょう」
現金売買について、メルカリの広報担当者は、「マネーロンダリングなどのトラブルになる可能性がある」として、22日から現行紙幣・貨幣の出品を禁止したことを取材に明らかにした。メルカリの利用規約では、第8条の33項でマネーロンダリング行為を禁止している。これまでに少なくとも数件の取り引きを把握したといい、見つけ次第、投稿を削除しているともした。
メルカリでは、アンティークものや旧1万円札など希少価値の高い紙幣や貨幣を売買したいという要望が多かったため、2月から第9条の「出品禁止商品」で現金を項目から外す措置を取った。今後、現金を項目に入れ直すかについては、内部で検討して決めたいとしている。