トランプ氏、世論調査「都合いい結果」だけ引用 「歴代最低支持率」など完全スルー

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   「自分に否定的な調査はフェイクニュースだ」と憤っていた米国のトランプ大統領が、発表されたばかりの調査結果に「非常にいい」とツイッターでご機嫌になっている。トランプ氏は、「自分に投票した人のほとんど全員が今でも投票を支持している」という結果に満足しているようで、「今でもヒラリー(クリントン氏)に選挙で勝てる」などとつぶやいている。

 

   だが、トランプ氏は、この世論調査で「トランプ氏の支持率は歴代大統領で最低」という点などについては「スルー」。自らに有利な点だけを取り上げ、そうでない部分は「スルー」したり「フェイク(うそ)」だと決めつけたりする姿勢が改めて鮮明になった。

  • トランプ大統領が珍しく世論調査の結果に上機嫌だ
    トランプ大統領が珍しく世論調査の結果に上機嫌だ
  • トランプ大統領が珍しく世論調査の結果に上機嫌だ

2月には「全ての否定的な世論調査はフェイクニュース」

   調査はトランプ氏の大統領就任100日を機にABCニュースとワシントン・ポストが4月17日から20日(米東部時間)にかけて、米国内の成人約1000人を対象に実施。結果が23日に発表された。

   トランプ氏は17年2月、メキシコ国境に壁を建設したり、イスラム諸国の国民の入国を規制したりする大統領令に反対する声が多い、とする世論調査の結果に立腹し、

「全ての否定的な世論調査はフェイクニュースだ。ちょうど、CNN、ABC、NBCの選挙期間の調査結果のようだ。申し訳ないが、国民は国境警備と、きわめて厳しい入国審査を求めている」

とツイート。世論調査に対する不信感を爆発させていた。

トランプ氏支持者の96%が「再び選挙があってもトランプ氏に入れる」

   ところが、今回の世論調査に対しては態度を一変させ、4月23日夕方のツイートでは

「今日出た世論調査の結果は、ほとんどのメディアがフェイクで、ほとんどいつもネガティブなことを言っていることからすると、非常にいい」

と、珍しく上機嫌だった。その上で、調査結果が「非常にいい」理由を、

「今でも選挙でヒラリーに勝てるだろう。大統領選では大間違いをしたABC とワシントン・ポストの調査では、自分に投票した人のほとんど全員が今でも投票を支持しているし、53%が自分のことを強いリーダーだと言っている」

と説明した。

世論調査の結果では、16年11月にトランプ氏に投票した人のうち、96%が「今日再び選挙が行われたとしてもトランプ氏に入れる」と回答。クリントン氏の支持者で同様に「クリントン氏に入れる」とした人は85%だった。さらに、調査に回答した人のうち53%がトランプ氏のことを「強いリーダー」だと評価している。この点についてはトランプ氏のツイートの内容は正しいが、ABCの世論調査の全体をみると、違った姿が見えてくる。

「強いリーダー」評価もオバマ氏の方が上

 

   今回の調査によると、トランプ氏の支持率は42%に対して不支持率は53%。これに対してオバマ前大統領の就任100日前後の支持率は69%、不支持率26%だった。歴代大統領の平均支持率は69%、不支持率は19%。今回のトランプ氏の支持率は、就任100日前後の大統領支持率としては、1945年の調査開始から最も低かったという。これに加えて、53%がトランプ氏を「強いリーダー」だと評価したのは事実だが、オバマ氏の同時期の調査では77%が同じ評価をしており、トランプ氏を「強いリーダー」として評価する人は、同時期のオバマ氏より少ないことになる。

   4月23日朝のABCのニュース番組「グッド・モーニング・アメリカ」では、トランプ氏の支持率の低さを強調して、記者が

「どんな政権にとっても最初の100日間は『ハネムーン期間』で、大統領選の勝利から弾みをつける絶好のチャンスだが、今回の調査結果で、トランプ氏にハネムーンは存在しなかったことが明らかになった」

   などと解説した。

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