近年、ゴールデンウイークの前から気温の高い日が多くなっていることを受け、環境省は熱中症予防の指標となる「暑さ指数」情報の公開を約1か月前倒しし、2017年4月20日から始めた。
例年、5月半ばから公開していたが、近年、野外で遊ぶ機会が増える連休中やその前に気温が高くなり、熱中症で搬送される人が増えているためだ。「暑さ指数」は、熱中症予防情報サイトで見ることができる。
生活やスポーツの危険度を4~5段階で
「暑さ指数」(WBGT)は、気温や湿度、それに直射日光や路面から照り返す光がどのくらい当たるかなどのデータをもとに環境省が算出、熱中症予防の指標として専用サイトで公開する。「暑さ指数」は気温と同じ温度で表記し、日常生活では「危険度」に応じて次の4段階に分かれる。
(1)31度以上:「危険」。全ての生活活動で熱中症が起こる危険性がある。高齢者では安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。
(2)28~31度:「厳重警戒」。全ての生活活動で熱中症が起こる危険性がある。外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。
(3)25~28度:「警戒」。中等度以上の生活活動で熱中症が起こる危険性がある。運動や激しい作業をする際は定期的に十分に休息を取り入れる。
(4)25度未満:「注意」。強い生活活動で熱中症が起こる危険性がある。一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。
スポーツをする際は、「原則中止」から「ほぼ安全」まで、さらに細かく5段階に分かれる。1時間ごとの数値のほか、翌々日までの3時間ごとの予測値が公開され、5段階で色分けされている。赤の場合は運動や外出を原則やめるほか、オレンジの場合は激しい運動や炎天下での外出を避ける必要がある。「外出やスポーツをする際はぜひ情報を見てほしい。特に体が暑さに慣れていない4~5月は、熱中症にかかりやすいため、暑さ指数を参考に、こまめに水分を取るなど対策をとってほしい」と同省では呼びかけている。