「なかなか考えられた課金システム」「課金の促し方がエグすぎる」――。
タカラトミーの幼児向け知育ゲームの「課金システム」が、ネット上で賛否を含む話題になっている。
未就学児童と家族がターゲット
議論の的となっているのは、タカラトミーの子会社・タカラトミーアイビス(東京都葛飾区)が2016年11月にリリースした、スマートフォン・タブレット向けアプリ『アニアどうぶつコレクション』だ。
『アニアどうぶつコレクション』は、タカラトミーの動物フィギュア「アニア」の世界観を画面上で楽しめる知育ゲーム。未就学児童及びその家族をターゲットとしており、ゲームを通じて、
「『動物の特徴や種類を知りたいという』子どもの知的好奇心を育成刺激し、知育を補助し、お子さまの成長・発達を促します」
としている。
ゲームの内容は主に、(1)特定の動物を操作して楽しむ「どうぶつゲーム」(2)動物のフィギュアやカードをコレクションする「ジオラマ・ずかんカード」(3)クイズバトルなどの「親子対戦ゲーム」――の3つだ。
「どうぶつゲーム」では、難易度に応じて5つのステージを用意。無料で出来るのは最初のステージのみで、以降は課金が必要。ここで課金することにより、そのステージの動物の「フィギュア・カード」も獲得できる。さらに親子で遊べる「ミニゲーム」の種類も増える仕組みとなっている。つまり、1回の課金で3つの「ごほうび」がもらえる。
課金は、対象の動物を購入する形をとり、4月24日時点では「6体」が用意されている。1体120円の単体購入と、3体で240円のお得なパックがある。どうぶつは随時追加予定だ。
1日1回、ログインボーナスとしてフィギュアが手に入る「ガチャ」機能もあり、成人向けスマートフォンゲームさながらの完成度である。
「おねだりかんりょう!」→「パパ・ママにみせる」
ゲームの中で注目が集まっているのは、幼児から親への「おねだり」機能だ。
課金段階になると、
「パパ・ママにおねだりしてみよう!」
との文言・ナレーションとともに、「おねだり」ボタンが出現。ボタンを押すと、
「① まいにちはみがきをします」
「② よるは、はやくねます」
「③ きちんとおかたづけをします」
との選択肢が並んだ画面に遷移し、「ひとつ、やくそくをえらんでね!」と促される。任意の「やくそく」を選ぶと、「おねだりかんりょう!」と表示され、「パパ・ママにみせる」ボタンを押すと、親向けの課金ガイダンスに進む。
この「おねだり・おやくそく」機能にツイッターやネットの掲示板では、
「アニアどうぶつコレクション、なかなか考えられた課金システム。約束が守られるなら、課金してあげてもいいかなーと思えるのだが(笑)」
「これは発想の勝利」
「これは買ってあげちゃうwww」
と好意的な声が上がる一方で、
「まさか課金させる為に『パパ・ママにおねだりしてみよう』と子供に提案するゲームが出るとは...」
「アニアどうぶつコレクションの課金の促し方がエグすぎる」
と、疑問視する向きも少なくない。
「ご家族にきちんと確認いただき...」
この「おねだり・おやくそく」機能は、どういった意図で生まれたのか。
タカラトミーの広報担当者は4月24日、J-CASTニュースの取材に対し、
「ご家族にきちんと確認いただき、購入の前に保護者の方が購入する、または、あえて購入しないという判断をしていただけるように、おねだり機能を設けました」
と話す。
今回のネット上での反応については、
「さまざまなご意見をいただいたことにつきましては、今後のアプリの開発、運営のために活かしてまいりたいと思います」
としている。