ハイスペックな社会人と出会うため
大学生の恋愛事情に詳しい専門家にも話を聞いた。
『つくし世代~「新しい若者」の価値観を読む~』 (光文社新書) の著者で、ADK若者プロジェクトリーダーの藤本耕平氏は、大学生にマッチングアプリが流行っている理由は主に「3点」あると言う。
1点目は、SNSの普及によりデジタル上で友達になる機会が増え、バーチャルでの出会いに抵抗がなくなったため。
「フェイスブックの友達のタグ付けなど、直接知り合いじゃなくても、友達になることが多いですよね」
と話す。
2点目は、写真の加工技術が進んで、ハードルが下がったため。
「以前は、マッチングアプリには美男美女しか参加できませんでしたが、いまは写真が盛れるようになり、一般の人の参加が増えています」
と分析する。
3点目は、女子大生ブランドを活かして、ハイスペックな社会人と出会うため。
「女子大生というだけで社会人からちやほやされるので、普段手の届かない社会人と出会えます。また、マッチングしても恋愛はしないケースも多いです。恋愛が目的ではなく、『いいね』されて、承認欲求を満たされるのが目的だからです」
と藤本氏は説明する。なかには、後腐れなく簡単にやれる人が見つかるから、という理由でセックスフレンドを探す目的で利用する女子大生も一部にはいるという。
ただ、当然、マッチングアプリを無条件で信用するのは危険な面がある。なりすましも含めた利用者の実態や、運営会社の経営状況などの見極めも必要だ。