チェーン店ではどう「区別」している?
「もり」と「ざる」の両方を置いているのは、何も専門店だけではない。関東地方を中心に店舗を展開するチェーンそば店「小諸そば」の広報担当者は取材に対し、
「うちでは『もり』を260円、『ざる』を320円で提供しています。その違いは、海苔が乗っているかどうかです。他に違いはありません」
と説明した。
また、「ゆで太郎」のフランチャイズ店舗を運営しているゆで太郎システム(品川区)の広報担当者は、
「16年12月に『ざるそば』の商品名を『焼きのりそば』と変更しました。以前よりも海苔の質を上げ、お客様が自分でちぎってかけて頂くようにしたためです」
と明かす。ちなみに、同社が提供している「もりそば」(320円)と「焼きのりそば」(380円)の違いについては、「海苔以外にはありません」と明言していた。
このように、老舗店やチェーン店など「店側」の見解を聞いていくと、海苔やわさびなどのトッピングで違いをつけているとの回答が目立った。もっとも、海苔はかかっていない「ざるそば」を出す老舗店もある。
では、そばの歴史や文化に詳しい専門家は「もり」と「ざる」の違いについてどう考えているのだろうか。