故・横山光輝さんの大ヒット漫画『三国志』全巻が無料で読み放題となるキャンペーンが、電子書籍ストア「eBookJapan」で2017年4月21日から始まった。
通常、同ストアで『三国志』全巻を読み切るのにかかる値段は1万8000円(税込)。それをタダで読めるという破格のキャンペーンなのだが、これにネット上では、作中登場人物のセリフを用いて「孔明の罠だ!」とツッコミを入れるユーザーが相次いでいる。いったい、なぜなのだろうか。
「読んだら確実に欲しくなるからなぁ」
実は、今回「eBookJapan」が実施する読み放題キャンペーンは4月21日から3日間限定。『三国志』は全部で60巻あるので、仮に不眠不休で72時間漫画だけに集中したとしても、1冊あたり1時間12分のペースで読み進める必要があるのだ。
実際のところ、3日間ぶっ続けで『三国志』を読める人はほとんどいないだろう。そう考えると、無料期間内に全巻を読破するのは現実的にはなかなか難しいと言える。こうした点に気付いたネットユーザーが、
「待て あわてるな これは孔明の罠だ」
という作中の司馬仲達の有名なセリフを引き合いに、企画の内容へツッコミを入れているのだ。
実際、ツイッターやネット掲示板には、
「72時間限定って無理ゲーだしまさに孔明の罠」
「読んだら確実に欲しくなるからなぁ これは孔明の罠だよ」
「3日で60巻とはまさしく孔明の罠ですな」
といった投稿が相次いでいる。なかには、
「全部読み切れなかった人は有料でも続きが読みたくて買う、全部読み切ってしまった人はそれほどはまっているからやはり買う、なかなかの計略だ」
と指摘するユーザーまで出ていた。
担当者「決して『孔明の罠』ではありません」
はたして、この企画は本当に有料版を購入させるための「孔明の罠」なのか――。今回のキャンペーンを企画したイーブックイニシアティブジャパンの担当者は17年4月21日、J-CASTニュース記者のこうした質問に対し、次のように回答した。
「タダで全部を読み切れないように期間を設定したつもりはありませんし、決して『孔明の罠』でもありません。こちらとしては、今回の企画を通じて横山先生の『三国志』の魅力をより多くの人に知って頂ければ、そう考えています」
なお、このタイミングで『三国志』を読み放題にした理由について担当者は、
「もともとインターネット上で愛されている作品という点が大きいです。加えて、LINEスタンプが大ヒットしたり、他社のCMで取り上げられたりと、最近何かと『三国志』が話題になる機会が多かったことも理由の一つになります」
と話している。