香辛料やカフェイン、炭酸飲料、果物も控えよう
塩分をとりすぎると、なぜ夜トイレに行きたくなるのだろうか。松尾助教はメカニズムをこう説明する。
「基本的には塩分のとりすぎでのどが渇き、水を飲みすぎるからだと考えます。水を飲みすぎると昼夜を問わず多尿・頻尿になるし、また塩分と水分をとりすぎると、むくみ(浮腫)の原因にもなります。特に、足のむくみは夜間多尿の原因になることがわかっています。さらに、塩分のとりすぎはカテコラミンという交感神経系に作用するホルモンに影響を与えます。カテコラミンの分泌が乱れると尿の量が増えるのです」
ふだんの食生活の中で、夜間頻尿にならないようにするには何に気をつければいいのだろうか。松尾助教はこうアドバイスする。
「最近の報告では夜間頻尿の3割は、生活習慣病(糖尿病、高血圧、脳梗塞、睡眠時無呼吸症候群など)と関連しているといわれています。また、生活習慣病になると夜間頻尿などの排尿障害のリスクが上昇する報告があります。だから、生活習慣病にならないことが大切です。減塩は生活習慣病の予防に有効です。ほかには、香辛料や利尿作用の強いカフェインを含む飲料水、また、糖分のとりすぎは体の冷えの原因になるので、炭酸飲料や果物のとりすぎにも注意するといいでしょう」