水木しげる「偽サイン」がネットで売買 事務所も「心痛める」深刻さ

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   故・水木しげるさんの「直筆サイン」をうたう色紙などがオークションサイトに大量出品されていることについて、水木プロダクションが「弊社が出品することはない」「ニセモノも多い」などとコメントした。

   リトグラフや色紙で出回る「直筆サイン」の一部は、10万円以上の値がついている。本物ならファン垂涎の品と言えそうだが、ツイッターでは「落札するファンって一体...」「ファンなら買わない」との声も上がる。

  • 水木プロも困っている(画像は水木プロダクションの公式ツイッターより)
    水木プロも困っている(画像は水木プロダクションの公式ツイッターより)
  • 水木プロも困っている(画像は水木プロダクションの公式ツイッターより)

10回以上入札されている品も...

   水木プロダクションは2017年4月19日、ツイッターとフェイスブックに

「ネットオークションに限らず、あちこちのオークションで『水木しげる直筆』なるものが出回っているようです。『直筆保証』がついているものもあるようですが、弊社は真贋鑑定を行っておりません。また弊社が出品することはありません。ニセモノも多く、我々は大変心を痛めております」

との注意書きを投稿した。

   4月20日17時30分現在、国内最大規模のオークションサイト「ヤフーオークション」で「水木しげる サイン」と検索すると、30件ほど表示される。いずれも、「直筆サイン入り」をうたうリトグラフや色紙、本だ。値段は3000円から10万円以上までピンキリ。10回以上入札されている品もあった。

   素人目での真贋鑑定は難しいものの、出品者の多くは

「美術コレクターからの依頼品」
「都内の古書店にて購入」

と入手経緯を明かし、一部は「サインをもらったときのエピソード」とする話まで紹介している。実店舗を持つリサイクルショップが出品者の場合もある。

1年前にもあった「偽サイン」騒動

   ただ、中には「万が一真作出なかった場合は返品をお受けいたします」(原文ママ)とことわる出品者もいた。ヤフーオークション側も「当社は、本サービスに出品される商品等の品質、安全性または適法性について一切保証しません」とガイドラインに明記している。最後は、自分の目で真贋を確かめる他ないようだ。

   「古書店や専門ショップで鑑定・買い取り・販売してもらえる直筆サインを、なぜわざわざオークションサイトで買い求めるのか」「偽物をつかまされるリスクが高すぎる」――そう考える向きも多いのか、事務所のコメント発表をうけ、ツイッターユーザーは

「本物と思って落札するファンって一体...」
「ガチ勢はそんな信憑性低いサインなど買わない気がする」

と買い手への疑問の声を寄せた。

   しかし、オークションサイトに出品された有名漫画家の偽サインは、1年前にも話題に上ったばかり。

   鳥山明、石ノ森章太郎、松本零士、北条司といったビッグネームの、一目で贋作と分かる「直筆サイン入り色紙」が、何万円もの値段で売れ、出品者が高く評価される現象にネットでツッコミが当時、相次いだ。

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