味が豊富なのは水なしで飲める薬
ところで、一般用ではどんな薬に味がついているのだろうか。調査結果に記載されているGE薬の効果効能を調べてみたがアレルギー治療薬や抗菌薬、胃酸を抑える薬とばらばらだ。該当する薬の成分が特に苦いわけでもないらしい。そこで、J-CASTヘルスケアが東京都内の調剤薬局に調査結果を見せて取材をしたところ、あっさりと理由が判明した。
「味がついているのは基本的に『OD錠』、つまり水なしで飲める錠剤です。口にそのまま入れるだけで唾液によって溶けますが、水で飲む場合より薬の味を感じやすいので、何らかの味をつけているものが多いですね」
手元に水がない場合や飲み込むのが困難な患者、水分摂取制限をしている患者でも服用できるOD錠ならではの理由というわけだ。これだけ味が豊富なら、同じ効能の薬の中で味を理由に選ぶということもできそうだが。
「すべてのGE薬をそろえている薬局は少ないですし、(在庫がなければ)さすがに『コーヒー味の薬をください』といったご要望にはお答えできません」
基本的にGE薬が選ばれるのは価格面の理由からが多いとのことだが、先発薬の評価を参考にして、苦みを抑えたり甘みを加えることで飲みやすくしたGE薬もあり、飲みやすさを求める患者に処方することもあるという。