うっかり手のひらから滑り落ちたスマートフォンが、硬いコンクリートの地面に向かって一直線。誰もが肝を冷やすこの瞬間、落としたスマホの本体から「エアバッグ」が飛び出したら――。
こんな冗談のような仕組みが、近い将来iPhoneに本当に搭載されるかもしれない。というのも、米アップル社が似たような特許を実際に取得したからだ。ネット上では特許の取得を受け、早くも「これは嬉しい機能」などと実用化を望む声が出ている。
自動で「バンパー」が展開
アップルが「スマホ版エアバッグ」とも呼べる技術の特許を取得したのは2017年4月4日(現地時間)。同社は2014年5月にこの特許を出願しており、約3年の期間を経て認定されたことになる。
米特許商標庁が公開した資料によれば、この技術はスマホなどの電子端末に衝撃緩和用の「バンパー」を内蔵させ、落下時にそれを自動で外部へと展開させるというもの。端末が高所から落下しているかどうかは、本体に内蔵した加速度センサーで検出する。
バンパーは立体的に展開するため、割れやすいディスプレイ部が直接地面にぶつかることを防ぐことができる。商標庁の資料には、スマホの四角から飛び出すバンパーのイメージ図も多数掲載されている。
さらに、バンパーの素材としては衝撃を吸収しやすいものだけでなく、浮力に優れたプラスチックや発泡素材を使うことを想定。これによって、水の中に端末を落とした場合でも、本体が「水上へ浮かび上がる」という。
もちろん、アップル社は特許を取得しただけで、これから実用化を進めるかどうかも未定。実際、アップルジャパンの広報担当者も17年4月19日、J-CASTニュースの「実用化の可能性はあるのか」という取材に対し、
「弊社からは特にコメント申し上げることはございません」
とだけ回答した。