美肌菌は人間の肌を守るため、人間と一緒に進化した
番組には「表皮ブドウ球菌」研究の第一人者で、これを「美肌菌」と名づけた東京女子医科大学皮膚科の出来尾格(できお・わたる)医師が登場した。出来尾医師は2010年に臨床研究で、表皮ブドウ球菌の美肌効果を初めて確認し、専門誌に論文発表をした。女性被験者の美肌菌を増やしたところ、肌の水分量が平均で1.33倍も増えた。
MCの後藤輝基「出来尾先生、ほかにも、お肌にいいことをしてくれるそうですが」
出来尾医師「はい、美肌菌は肌にいいことしかしません。顔には黄色ブドウ球菌という菌が住んでいます。この菌はアトピー性皮膚炎や食中毒の原因になる悪玉菌ですが、コイツの繁殖を抑えてくれます。黄色ブドウ球菌の天敵といっていいでしょう。美肌菌は人間の肌を守るために、先祖の霊長類の時代から人間と一緒に進化してきた、いわば伴侶なのです」
高橋真麻「誰にでもいるのですか? 多ければ多いほどいいのですか」
出来尾医師「はい。誰にでもいて、多ければ多いほどいいです。個人差があります。だいたい、平均で1センチ平方メートルあたり1000~1万個です」
番組では、ゲストの3人と、MCのフットボールアワー・岩尾望の計4人の顔から美肌菌を採取し数を調べた。すると、驚くほどの差が出た。
1位:IKKO............3万6000個
2位:キンタロウ.........1600個
3位:岩尾望...............480個
4位:高橋真麻............400個
IKKO「(ドヤ顔で立ちあがり)わあ~、やったー!」
高橋真麻「(大ショックで沈黙)......」
MCの後藤輝基「出来尾先生、IKKOさんの美肌菌がずば抜けて多いのは、350万円の美肌ケアの中で、高麗人参系クリームとか乳酸菌乳液とかを使っているせいなのでしょうか?」
出来尾医師「驚きました。私がこれまで調べた人の中では、断トツに一番多いです。乳酸菌は肌を弱酸性に保つ効果があるので、美肌菌が住みやすくなるのは確かです。高麗人参系クリームは血流をよくするので、美肌菌にはいいのかもしれません」
番組では、美肌菌を人工的に増やす研究を進めている長崎国際大学薬学部の取り組みを紹介した。微生物研究のエキスパート・野嶽勇一教授はこう説明した。
「微生物は、それで個人を識別できるくらい、特徴に個人差があります。他人の美肌菌を肌に移しても定着させるのは難しいです。だから、自分自身の菌を培養して増やさないといけません」
長崎国際大学では、約1000人分の美肌菌を集め、マイナス80度の冷凍施設で保存、培養装置を使い10倍に増やして登録している。女性研究者が1週間に2回、培養した自分の美肌菌を顔にすりこんで「効果」を実験している。ある研究者の肌の「水分量」は58.0ポイント(乾燥肌)だったが、1か月後に62.5ポイント(うるおい肌)にアップした。60ポイントが境目なのだ。ただし、同大学の方法では、半年使用分で36万円(1か月6万円)もかかる。