納豆のたれ、入れるのは混ぜる前か、後か 「孤独のグルメ」で激論再燃

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   ほかほかと湯気の立ち上る白いご飯に、よくかき混ぜた、ねばねばの納豆をだらり。茶碗に口をつけ、がっとかきこむ――思わずお腹が減ってくるそんな食べっぷりを披露したのは、ドラマ「孤独のグルメ」(テレビ東京など)で井之頭五郎役を演じる松重豊さんだ。

   ところがその「ゴローちゃん」の食べ方をめぐり、一部から激しい「反論」が上がっている。いわく、「納豆を混ぜる前に、たれをかけるとは何事か」。はたして、正解はあるのか?

  • 混ぜる前にたれを入れた納豆と、混ぜた後に入れた納豆。「混ぜた後」の方がぐっと固まっている
    混ぜる前にたれを入れた納豆と、混ぜた後に入れた納豆。「混ぜた後」の方がぐっと固まっている
  • 食べてみる。確かに粘り気が強い
    食べてみる。確かに粘り気が強い
  • 混ぜる前にたれを入れた納豆と、混ぜた後に入れた納豆。「混ぜた後」の方がぐっと固まっている
  • 食べてみる。確かに粘り気が強い

「混ぜる前に醤油入れちゃダメなのよ納豆は!」

   ドラマの場面を確認してみよう。2017年4月15日放送のシーズン6・第2話で、朝食のため五郎が足を踏み入れたのは、市場の小さな食堂だ。

   ごはんのおかわりを頼んだ五郎は、やおら袖まくりして、醤油を納豆に垂らすと、「納豆は混ぜたら混ぜただけ答えてくれる」――と内心つぶやきながら、真剣な面持ちでかき混ぜ始める。出来上がった納豆ごはんを口に頬張り、ご満悦の表情で、「白飯と相思相愛、しっかり仕事する納豆は、朝飯に欠かせない名脇役だ」。

   ところがこの食べ方に、視聴者からは、

「五郎さん、納豆を混ぜる前にしょうゆかけてるよ」
「私たちは分かり合えないw」
「混ぜる前に醤油入れちゃダメなのよ納豆は!」

といったつぶやきが少なからず上がった。

「美味しんぼ」での見解は

   えっ、そうなの!?――と、記者は驚いた。生まれてこの方、基本的に「混ぜる前」にたれや醤油を入れてきたからだ。

   試しにJ-CASTニュースのツイッターアカウントでアンケートを取ってみると、60%が「混ぜる前」で、「混ぜた後」は30%に過ぎなかった(122票)。なんだ、やっぱり「混ぜる前」が多数派なんじゃないか――と思いきや、あの「美味しんぼ」の主人公・山岡士郎は作中でこう熱弁している。

「納豆にいきなり醤油をかけてどうするんです! まずよくこねて、白い糸が全体をくるむようになって、初めて醤油を入れる。いきなり醤油をかけちゃったら、納豆のうまさなんか出ませんよ」

   そんなに違うものだろうか。実際に試してみることにした。まずはいつも通り、たれをかけて30秒ほどかき混ぜる。うん、滑りが良くて混ぜやすい。一方、たれを入れずに混ぜてみると、先ほどとは明らかに手ごたえが違う。力を入れてやはり30秒ほど混ぜ続けると、よりネバネバが強く、球状に固まった納豆が出来上がった。

   味の方も、確かに「混ぜた後」の方が、納豆らしいうまみは強い気がする。しかし「混ぜる前」の方も、たれの味がよく馴染んでいて、こっちはこっちでありのようにも思える。

納豆連合会は「混ぜ方は各人のロマン」

   J-CASTニュースは4月17日、全国納豆協同組合連合会の広報担当者に尋ねてみた。担当者は「よく聞かれるんですが......」と苦笑しつつ、連合会会長で「鎌倉山納豆」の野呂食品代表・野呂剛弘さんの動画を紹介してくれた。動画で紹介されていた混ぜ方は、以下の通りだ。

「まずたれなどは入れず、そのまま40回ほど混ぜる→薬味を入れて20~30回混ぜる→たれを入れて軽くかき混ぜる」

とすると、「混ぜた後」が正解? ところが広報担当者は、「会としてはこれが正解、という混ぜ方は決めていません」という。その理由は――

「納豆の混ぜ方には、各人のロマンがあるのです。議論するのはいいですが、それを壊すのはおこがましいこと。答えがないのが、答えなのです」
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