森羅万象天地万物、あらゆるモノが漫画やイラストの世界では「擬人化」されてきた。最近も、動物をかわいらしく擬人化した「けものフレンズ」がブームになったことが記憶に新しい。
そんな中、発想の妙で「そう来たか!」と話題を呼んでいる擬人化イラストがある。このたび「イケメン」なキャラクターに変身したのは、私たちの生活にも身近な「軟膏」「クリーム」だ。
オネエっぽいニベア、初心なヴァセリン
「またこんなにして...」
ひびやあかぎれだろうか。痛々しく傷ついた女性の手を取り、心配そうにクリームを塗りこむ青年。
「ベタベタ?ごめんな...でも大丈夫 色がなくなるまで擦り込めば きっと良くなるから」
その顔はというと、肌荒れ用クリームの定番、ユースキン製薬の「ユースキンA」である。
ツイッターで2017年4月9日、「ぷん子」さんが「軟膏擬人化」と名付けて投稿したのは、身近なスキンケア用の軟膏・クリーム類を、男性キャラクターとしてイラスト化した連作だ。モデルになっているのは、ユースキンAのほか、オロナインH軟膏(大塚製薬)、間宮アロエ軟膏(アロエ製薬)、ニベアクリーム(花王)、ヴァセリン(ユニリーバ)、ソンバーユ(薬師堂)、メンソレータム(ロート製薬)の7製品。いずれも体は人間、頭は各商品の容器、という形で擬人化されている。
それぞれの製品ごとにキャラ付けがされていて、アロエ軟膏は転んだ女性に「わあ!!だ、大丈夫?!」「シミちゃったら言ってね?」と気遣う優しい男子に、ニベアクリームは「もおおおお~!! また貴女って人は!! 洗顔後は必ず塗るって言ってるじゃない!!」とお説教するオネエ系に、ヴァセリンは女性のあらわな背中に照れまくる初心な男子に――といった具合だ。その個性が、また見ていて楽しい。
ユースキン公式ツイッターも反応
作者の「ぷん子」さんに話を聞いてみた。そもそも、イラスト化のきっかけは?
「なんとなくそこにいた軟膏(ユースキン)を見て、落書きのつもりで描いたら意外に面白かったので、家にある軟膏をかき集めて描き始めたという感じです」
もともと、指先が乾燥したりひび割れたりすることが多く、お気に入りだという「アロエ軟膏」をはじめとする軟膏やクリームにお世話になっていたぷん子さん。これらの製品が頭になったキャラを、自分自身が見てみたい、という気持ちが高まって、「ガリガリと描いてしまってました」。執筆に当たっては、「それぞれのつけ心地と効能と使う頻度」から性格を、そしてパッケージ(ボトル)から外見をデザインしたという。
ツイッターでは、「シンプルにオロナインと結婚したい」「ニベアさんに惚れました」「ソンバーユさん描いてくださりありがとうございます...!」などと好評で、リツイート数は11日19時時点で6万回以上、いいね数も10万回を超えている。また、「本家」であるユースキン製薬の公式アカウントからも、「なんて素敵な... 早速明日、会社で共有させてくださいな♪」とのコメントがあった。
こうした反響については「ただただ驚いています!」「ここまで反響するとは思っておらず嬉し恥ずかしという気分です」というぷん子さんの元には、登場しなかった軟膏のユーザーから「これを描いてほしい」「あれもあるよ!」という声も次々寄せられており、「いつか使ってみたときにぜひ描いてみようとは思ってます」と話していた。