ヤマト運輸の配達員男性が、伝票上の携帯電話番号を使って女性にアプローチしてきたと、ツイッター上で暴露されて騒ぎになっている。ヤマト運輸は2017年4月14日、J-CASTニュースの取材に対し、事実関係を認めて謝罪した。
「さっき11時ごろ荷物渡しに行ったヤマトの人です! 良かったらLINEしませんか?」
女性が荷物を受け取った
ツイッターの投稿者によると、Amazonで買った商品を届けに来た配達員男性から、2017年4月12日午前11時半ごろにこんな文面のショートメールが携帯電話に届いた。
投稿者は男性で、荷物は彼女が配達員から受け取った。投稿者は、配達員が伝票から電話番号を取ったことを確かめようと、配達員とLINEのやり取りをすることにした。
LINEに「追加しました」とメッセージを送ると、配達員はすぐに「ありがと」「いきなりごめんねー」と返信してきた。プロフィール写真には、顔写真を使っていた。投稿者が「どこで電話番号知ったのですか?」と問うと、配達員はこう答えた。
「伝票に書いてあるんだよw 破損とか確認とかで電話するときもあるからさ」
投稿者が「それを私的な目的で利用したわけですね?」と指摘すると、配達員は「そーなるね」「すいません」と認めた。しかし、「謝って許されると思ってますか?」「今すぐ上司の方を出してください」と問い詰めると、配達員はもう何も返信して来なくなった。
投稿者によると、彼女はたまたま仕事休みで家にいて、配達員からは「今日はいるんだね~。いつもは昼間いないん?」などと聞かれていたという。投稿者は、配達員の行為はストーカーではないかとして、この4月に引っ越してきたばかりだが、彼女が不安に思っていると打ち明けた。
配達員の電話番号にかけたが無視されているといい、13日になって地元の愛知県警に通報したとも明かした。
ヤマト、配達員との委託契約を解除
ツイッター投稿者によると、愛知県警は、この配達員男性に対し、ストーカー行為の警告文を出したという。また、投稿者は、ヤマト運輸側と話し合って、配達員に対して法的措置も検討しているとしている。
ツイッター上やネット掲示板などでは、配達員が伝票の電話番号を私的に使ったという行為について、「個人情報つかったらまずいだろ」「在宅状況把握してLINEで言ってきたらストーカー」などと批判の声が上がっている。
ヤマト運輸の広報担当者は4月14日、この配達員は、ヤマトが配達業務を委託している運送事業者の社員であるとしたうえで、「個人情報を配達の目的以外に使用したのは事実」だと取材に答えた。配達員本人も目的外使用を認めているといい、ヤマトは、運送事業者を通してこの配達員個人と行っていた委託契約を解除したことを明らかにした。
目的外使用をした理由や警察の捜査状況、ツイッター投稿者との話し合いの中身については、「詳細は控えさせて下さい」としている。
マスコミに向けた会社としてのコメントも発表し、「あってはならない重大な契約違反行為」だとして、顧客を始め関係者に迷惑と心配をかけたと謝罪した。そのうえで、再発防止に向けてヤマトの情報管理を徹底するとともに、委託事業者に対してもコンプライアンス教育を徹底するとしている。
追記・訂正(2017年4月17日):4月14日に配信した記事中で、「伝票には(ツイッター)投稿者の電話番号があったという」とした部分は、記事の中見出しとともに削除・訂正しました。