たとえ若くても白髪が濃い人ほど動脈硬化になりやすい
その結果、次のことがわかった。
(1)「白髪度合い」のスコアが中級以上の人は、年齢に関係なく、アテローム型動脈硬化のリスクが非常に高くなる。
(2)「白髪度合い」のスコアが高くなるにつれ、各年代ともアテローム型動脈硬化のリスクが高くなる。
つまり、年齢に関係なく白髪の度合いが増すと危険要因が大きくなるわけで、若くして頭が真っ白な「若白髪」の人は、高齢で頭が真っ白になっている人と同じくらい心臓病など動脈硬化になりやすいというのだ。
なぜ白髪の度合いが動脈硬化の危険と関係あるのだろうか。サミュエル博士は、プレスリリースの中でこう語っている。
「私たちの研究は、実際の年齢に関係なく、髪の老化年齢が心臓病のリスクの指標になることを明らかにしました。しかし、白髪化がなぜ心臓病のリスクを高めるのか、メカニズムはわかりません。ただ、アテローム型動脈硬化の危険因子の細胞の老化、炎症、酸化ストレス、高血糖などは、皮膚の老化の指標にもなっており、白髪になるメカニズムと通じるところがあるのかもしれません。今後は心臓専門医と皮膚科の専門医が協力して研究を進めます。白髪の濃い人は、ぜひ定期的に健康診断を受けてください」