「あいつらタダで駐輪場を使いやがって!」
同市は長年、放置自転車の問題を抱えていて、ここ数年は「放置自転車ゼロ」を目指す取り組みをしていた。実は、16年春まで有料駐輪場に関する苦情は多かったのだという。それは、自転車と自転車のラックの間に自転車を突っ込み駐輪する人や、ラックのロック部分手前で自転車を止める人が相次いだためで、「あいつらタダで駐輪場を使いやがって!」というものだった。そのため市ではパトロールを強化し、そうした自転車は即時に撤去することにした。また、古い駐輪機はラックの番号を精算機に打ち込み支払いを済ませるだけでロックが解除できたが、カギを着脱しなければロックが解除できない新しいものに順次変更して行った。そのため、16年秋ごろから苦情は来なくなったという。
「確かに、昨年春までは『きちんと駐輪していたのに撤去されてしまった』という苦情もありましたが、新聞記事はその事を言っているのか、それとも新たな迷惑行為が発生しているのかは分かりません。そもそも2倍ものお金を出して場所を確保するものでしょうか?東京など他の地域では同様の事が起こっているのでしょうか?」
と困惑気味だった。
また、J-CASTニュースが市の放置自転車保管所に話を聞いてみたところ、有料駐輪場に停めていたのに撤去された、という申し出は以前からあったため、市は鍵付きの機械への変更を進めているが、こうした苦情は引き続きあるのが現状だ、とした。そういう申し出がある場合でも、2500円の引き取り料を徴収しているという。
もっとも、本当にお金を払ってロックをしたのか、本当はロックをせずに置いただけで、単にそう主張しているだけに過ぎないのか、は検証が難しいという事情もある。
参考として、東京都墨田区と埼玉県所沢市の有料駐輪場を経営する民間大手に話を聞いてみたところ、
「間違って他の自転車のラック番号を押して支払いをしてしまった、という報告はありますが、他人の自転車を移動させるといった話は聞いたことがありません」
ということだった。