トランプ大統領に完全に翻弄される市場
ただ、2016年の米大統領選挙中、トランプ候補は、「大統領に就任したら、初日に中国を為替操作国に認定する」と言っていた。FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長についても、その低金利政策を強く批判していた。それが、今や「中国は為替操作国ではない」「低金利政策が望ましい」「イエレンFRB議長を尊敬している」と正反対の言葉を吐いている。
さらに、ドル高について、「私が信頼されているから」と語る姿勢に、日本の市場関係者は「その神経はどこから来るのだろうか」と首を傾げ始めている。
地政学的リスクを高め、他国のトップであれば、決して口にすることはない為替相場に対する水準感を述べるトランプ大統領に今の市場は完全に翻弄されている。「トランプ大統領が為替相場をドル安方向に誘導する米国こそが為替操作国に認定されるべきだろう」という声も市場からは上がり始めている。