体力ない人が環境の悪化で病気に
番組の調査で、熊本地震の震災関連死の特徴が見えた。詳細が公表されている人のなかで、亡くなったうちの89%が何かしらの既往症を抱え、しかも多くの人が車中泊を経験しており、周囲から孤立しやすい環境にあったという。
阪神・淡路大震災で、震災関連死の存在を初めて明らかにした医師の上田耕造氏によると、元気な人が震災関連死に至ることはなく、後期高齢者や持病を持っている人、障害者といった体力のない人が環境の悪化で病気になり、亡くなるケースが少なくないという。認知症の高齢者が避難所生活になじめず自宅に戻ったが、転倒して負傷、その後死に至った例もあった。
上田氏は、こう強調する。
上田氏「弱い人を発見して(いかに)フォローしていくかが大事」
被害が大きかった益城町にある「被災地障害者センター」の東俊裕事務局長は、支援が必要な人を孤立させないために、普段から地域のつながりを整備していく大切さを指摘した。日常的に社会の中で「緩やかな人間関係」を築く必要があるという。