マレーシアで殺害された金正男(キム・ジョンナム)氏(45)の息子、ハンソル氏を保護したとされる団体「千里馬(チョンリマ)民間防衛」(Cheollima Civil Defense)が、新たな動きを見せている。
公式サイトが約1か月ぶりに更新され、「2人を救出」したことが明らかにされた。何らかの脱北者支援活動を続けていることが明らかになった形だが、「いつ、誰が、どこで」救出されたかは明らかではない。
正男氏の家族からの「緊急の保護要請に応えた」
「千里馬民間防衛」のサイトは2017年3月初旬に公開され、
「千里馬民間防衛は先月、金正男氏の生存している家族からの緊急の保護要請に応えた」と説明されていた。サイトに貼り付けられた動画では、ハンソル氏を名乗る男性が
「父は数日前に殺害された」
と説明。韓国の国家情報院は、この男性はハンソル氏だとみている。
ウェブサイトは4月12日頃に更新されたとみられ、「救出2件」という英語の見出しとともに、
「2人の救出と自由を遂げました。引き続き行っていきます。保護が必要な場合はお手伝いします。下記のアドレスまでご連絡ください」
とハングルで説明。英語でも
「ミスターCと、ある匿名の政府に感謝」
と説明された。ただ、「救出」がいつ、どこで行われたのか、救出された人は誰なのかなどは明らかになっていない。
「救出」された2人は誰?
ハンソル氏以外の遺族の動向は現時点で明らかになっておらず、今回「救出」された2人は、この遺族の一部である可能性はある。遺族の動向をめぐっては、香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポストが正男氏殺害の2月18日、正男氏の2番目の妻と子ども2人がマカオで暮らしており、現地警察に保護されたと報じた。3月15日には、マレーシアのザヒド副首相が、正男氏の遺体の身元特定に「子どもから採取したDNAのサンプル」を利用したことを明らかにしたが、子どもの氏名や居場所については明らかにしなかった。